連合は、2021年4月20日、中小企業家同友会全国協議会(以降、中同協)とのオンラインによる意見交換会(zoom)を開催し、ポストコロナに向けた中小企業の課題と存在意義、地域との関わりなどについて意見交換を行いました。
冒頭、相原事務局長は、「本日は、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、当方の呼びかけに対し、対話の場を設けていただいたことに感謝したい」と述べたうえで、
「コロナ禍の中で大変な危機に脅かされ、働き方も変化してきている。このような中、サプライチェーン、バリューチェーンの健全性をいかに高めていくのかが課題となっている。
雇調金についても、雇用保険財政が相当危機的な状況にある。単純な特例措置の期間延長だけでは持たない」と述べられました。さらに、「この危機的状況を乗り切るためにも、中小企業の課題と存在意義、地域の役割について意見交換したい」と中同協と連合の両者で中小・小規模事業者の事業継続と持続可能な地域づくりに取り組むことの必要性に触れました。
広浜会長は、「第1回目から参加させていただき今回は7回目となるが、連合とはこれまで優越的地位の濫用や、中小企業振興基本条例など連帯させていただいている」と述べたうえで、「生産性」については、「日本の中小企業の実質労働生産性は世界でもトップクラスであるが、大企業のしわ寄せもあり、低工賃での取引が余儀なくされており、名目生産性が伸び悩んでおり、儲からないけど必要とされている多くの企業もある」と述べました。さらに、「中小企業が少なくなれば社会全体の生産性が上がるわけではなく、むしろ小規模だからこそ、多様なニーズや需要の変化に対応することで社会に貢献している企業も多くある」と述べました。7月の中小企業魅力発信月間については、中小企業は経済をけん引する力である。この取り組み月間を中小企業の社会的役割や地位向上に資する場とし、経営環境改善につながるようにしたい」と述べました。
両組織からの報告では、連合からは「コロナ禍における雇用・生活対策本部の取り組み」、雇用維持のための「失業なき労働移動(在籍型出向制度)に向けた連合の取り組み」、「笑顔と元気のプラットフォーム」の取り組みについて、中同協からは、「中小企業再編論に対する見解」、「7月中小企業魅力月間の取り組み」、「新型コロナウイルス調査結果」、「中小企業の付加価値を高める経営」等についてそれぞれ説明がありました。
続いて「ポストコロナに向けた中小企業の課題と存在意義、地域との関わりについて」、「中小企業再編論・淘汰論について」の意見交換が行われました。
中同協の中山幹事長は、「コロナ禍の今だからこそ、私たちも変わる、働く人として職業観や人生観も含めて、新しい時代に向けて考えたい。企業の枠を超えて働く人の連携を作ろうとしている。中小企業振興基本条例を通して、同友会の枠を取っ払って企業の連携や地域の連携強化を行い、働く立場から輪ができることが未来展望につながる。連合と一緒に取り組めるところは連携していきたい」と述べました。
連合の相原事務局長は、「オンラインを通じ、コミュニケーションをはかり全国をつなぐことは通例となったが、オンラインの中にあっても、気持ちを動かされるような共感や、はぐくみができることをこの一年で体感した。本日は、中小企業が抱える課題や地域課題の解決についてよい意見交換できた。今後、若い方も経営者になりたいと思えるような持続可能な地域、社会をつくっていきたい。今後も中同協とは様々な面でつながらせていただきたい」と述べました。
最後に、中同協の7月の中小企業魅力発信月間の取り組みに連合としても参画し、今後ともお互いに支え合いながら連携していくことを確認し、閉会しました。