連合ニュース 2021年

 
2021年03月29日
連合「患者本位の医療を確立する連絡会」(第15回)をWEB開催
オンラインでの連絡会の様子
 連合は3月26日、オンラインツールを活用して「患者本位の医療を確立する連絡会」を開催しました。構成組織・地方連合会ほか、約20名が参加しました。
 
 「患者本位の医療を確立する連絡会」は、患者本位の医療、良質な医療サービスの確立と安定した医療保険制度に改革するため、患者の立場に立って活動しているNPO団体等と連合が連携し、2005年1月4日に結成されました。連合は2004年の中医協委員による収賄事件の反省に立ち、患者一般の声を適切に反映するため、本連絡会委員を中医協委員として推薦し、診療報酬改定の議論に参加していただいています。
 
 冒頭、佐保総合局長が主催者挨拶を行い、「私たちの連携した取り組みによって、診療明細書の原則無料発行をはじめとする成果を上げてきた。今後も引き続き、患者の立場に立って、医療の透明化の推進や医療安全の確保、質の高い医療提供の推進を求めて、本連絡会の取り組みを進めていきたい」などと述べました。
 
 続いて、最新の情報や取組内容を順次報告いただきました。
 HPVワクチン薬害訴訟名古屋弁護団代表を務める弁護士の堀康司さんからHPVワクチン薬害問題の概況について、この間の事実経過や未だに治療法が未確立で副反応症状に苦しむ被害者の声等を詳細に報告いただきました。ファブリー病・ライソゾーム病患者支援団体Fabry NEXT代表の石原八重子さんからは、コロナ禍での難病患者の実態について、治療と仕事の両立の課題等をお話いただきました。「医療情報の公開・開示を求める市民の会」代表世話人の勝村久司さん(元中医協委員)からは、発足から5年が経った医療事故調査制度について、都道府県別に報告件数に差があること、遺族が調査を求めても医療機関が応じないケースがあることなど、課題が提起されました。東京大学医科学研究所公共政策研究分野特任研究員の渡部沙織さんより、難病・小児慢性特定疾病の昨今の政策的課題として、難病等データベースの利活用状況や公的データベースとのリンクを想定した場合の課題について、報告がありました。NPO「日本慢性疾患セルフマネジメント協会」普及・広報委員の間宮清さん(中医協委員)からは遷延性意識障害患者・家族の会からの相談への対応や薬害教育の重要性に関する報告をいただきました。日本女子大学人間社会学部社会福祉学科助教の大部令絵さんより、利用者視点の交通バリアフリー接遇(サービス)評価尺度開発について、サービス品質評価とは何かといった基本的な点から研究内容を説明いただきました。
 また、NPO「ネットワーク医療と人権」の理事で「全国薬害被害者団体連絡協議会」代表世話人の花井十伍さん(前中医協委員)からは、報告に対して、患者視点も踏まえた鋭い質問が投げかけられました。
 
 その後、連合より、新型コロナウイルスワクチン接種に関する要請や審議会での対応、昨年12月に更新した医療費明細サイト等、直近の取組報告を行いました。
【医療費明細サイト】 http://www.rengo-iryoumeisai.org/
 
 最後に、佐保総合局長が「報告を受け、私たちが知っておくべき内容や課題として認識すべき内容が多くあることを改めて強く感じた。定期的に連絡会を開催し、議論を継続していきたい」と締めくくりました。
以 上