連合ニュース 2018年

 
2018年02月02日
連合・連合総研共同研究「曖昧な雇用関係の実態と課題に関する調査研究委員会」報告会を開催
~クラウドワーカー等の法的保護のあり方について意見交換~
報告会の様子
 2月1日、連合と連合総研は「『曖昧な雇用関係』の実態と課題に関する調査研究委員会」報告会を開催しました。報告会には、労働組合関係者や学者、マスコミなど120名が参加をしました。

 近年、実態は雇用労働に近い働き方であるにもかかわらず、個人請負等を装って労働法の使用者責任を逃れるような働かせ方が問題となっています。こうした状況を受け、連合と連合総研は2016年12月に共同で研究会を立ち上げました。この報告会は研究会報告書が取りまとまったことを受けた開催したものです。

 まず、主催者を代表して、中城吉郎 連合総研所長が「Ambiguous employmentと言われる『曖昧な雇用』は、ネットの普及等を通じて拡大することが予測される。本日が、『曖昧な雇用関係』で働く者の法的保護を検討に向けた機会になればと思う」と挨拶をしました。

 続いて、研究会主査を務めた浜村彰 法政大学法学部教授が、基調報告として、個人請負就業者とクラウドワーカーの就業実態調査の結果概要と、結果を踏まえて報告書でまとめた政策提言を披露しました。この政策提言は、「曖昧な雇用関係」で働く者の保護に向けて、①労基法上の労働者性の判断基準(=使用従属性)をより緩やかに解して保護対象を拡大することや、②最低報酬規制の必要性などの7項目で構成されています。

 基調報告の後、浜村教授に加えて研究会メンバーの大木栄一 玉川大学経営学部教授と沼田雅之 法政大学法学部教授を交えて意見交換を行いました。大木教授からは、「曖昧な雇用関係」で働く者が、発注者に対する交渉力を高めるためには能力開発が重要であることから、能力開発支援策と能力評価システムの構築、労働組合を含む就労者のネットワーク作りが必要である等の報告がありました。次いで沼田教授は、クラウドワーカーの法的保護の必要性に言及し、現状特段の規制が設けられていないクラウドワークの仲介事業者について、職業安定法の職業紹介事業者に対する規制等を参考とした事業規制を検討すべきこと等を提起しました。

 その後のフロアとの意見交換では、「柔軟な働き方」との題目で普及が進められようとしているクラウドワーキングについて、現実は低報酬などが問題となっていることから、現実を直視した上での法的保護の必要性について認識を参加者で共有しました。

 最後に、村上陽子 連合総合労働局長が、労働者性が認められなければ何ら労働法の保護を受けることができないという100対0ではなく、如何に就労者保護をはかるかという問題意識の下で研究会を立ち上げたという経緯に触れた上で、今後連合として提言を踏まえて政策を検討する考えを述べ、閉会しました。