連合ニュース 2017年

 
2017年02月17日
「『解雇の金銭解決制度』導入反対 報告集会」を開催
 連合は2月16日、連合会館において、「解雇の金銭解決制度」導入反対 報告集会を開催しました。当日は、構成組織、マスコミ他から、80人が参加しました。
 2015年10月に厚生労働省内に設置された検討会(「透明かつ公正な労働紛争解決システム等の在り方に関する検討会」)では、使用者申立ても含めた解雇の金銭解決制度の必要性の有無などについて、踏み込んだ議論が行われており、今後の検討会での議論の行方は、全く予断を許さない状況です。本集会は、不当な解雇を拡大しかねない解雇の金銭解決制度について、今どこで何が行われ、議論がされているのか、何が問題なのかについて認識の共有をはかるため、開催したものです。
 
 冒頭、逢見直人・連合事務局長が挨拶し、「解雇は労働者にとって、突然に生活の糧を失うという極めて重大事。本当に労働者のことを考えるのであれば、「カネさえ払えばクビ切り自由」の制度を導入するべきではない。本日の集会を契機として、改めて『解雇の金銭解決制度』の実体とその危険性について共通の認識を持ち、制度導入に反対する取り組みを、多くの仲間と共に、時機を失することのないよう、すすめてまいりたい」と開催の趣旨を述べました。
 
 続いて、村上陽子・連合総合労働局長より、「解雇の金銭解決制度」に関する経過報告を行いました。村上総合局長は、これまでの「解雇の金銭解決制度」の立法議論状況を説明。「不当解雇という法違反を行う使用者側に不確実性があるのは当然であり、新たな制度を導入し、補償金の算定基準を設けることは労働者の救済にはつながらない」と、昨年の欧州実態調査で再確認された結論について述べました。
 
 後半のパートでは、検討会のアドバイザーである岡田俊宏弁護士・古川景一弁護士、また検討会委員である水口洋介弁護士・徳住堅治弁護士から、これまでの議論と検討会での議論等について、報告を受けました。岡田弁護士は、既に労働審判において迅速かつ妥当な解決が図られており、仮に新たな制度を導入すれば解雇の実情に応じた解決が図られなくなることなど、新たな制度が不要である論拠を説明。古川弁護士は、制度導入に関する過去の検討経緯について、使用者発意による解雇の金銭解決の制度設計の困難性について法的観点から詳細に説明しました。また、水口弁護士は、検討会の動きに触れ、「制度が導入されれば既存の制度に悪影響を及ぼすだけでなく、使用者がリストラを行う際の武器にされる懸念がある」と述べました。徳住弁護士は、「解雇規制の緩和で、労働者の待遇・労働条件全体が不安定化する。現行の労働紛争解決システムは機能しており、『解雇の金銭解決制度』は不要である」と力強く述べました。
 
 激励挨拶に駆けつけた石橋通宏・参議院議員より、「『安倍政権は、世界で一番企業が活躍しやすい国を目指す』と言い、派遣法など穴を開けて来た。解雇規制に穴を開ける解雇の金銭解決制度は不要であり、絶対に導入してはいけないこと。労働者のための『働き方改革』なのか、企業のための『働かせ方改革』なのか、しっかりと見極めていきたい」とのコメントをいただきました。
 
 連合は、働く者の立場から、「解雇の金銭解決制度」の導入は必要ないとのスタンスで検討会の議論に参画していくとともに、運動を展開していきます。
 
以 上
  • 報告集会の様子
  • 激励挨拶に駆けつけた石橋議員