連合ニュース 2017年

 
2017年02月02日
経団連との懇談会を開催
連合は2月2日、経団連との懇談会を開催し「春季労使交渉をめぐる諸問題」について意見交換を行った。

冒頭、榊原会長からは「日本経済は5年目のアベノミクスのもと個人消費も上昇の兆しが見え、緩やかながら着実に回復している。一方で、米国新大統領の保護貿易政策などによる懸念と期待が交錯しているが慌てず見守る必要がある。そのようななか、政府の成長戦略に期待しており、官民戦略プロジェクトの「Society5.0」「消費喚起」をメインに進め、「働きかた改革・休み方改革」については『長時間労働の是正』と『同一労働同一賃金』の実現の2つが大きな柱だと考えている。賃金については、賃金引上げのモメンタム(勢い)を今年も継続していき、収益が拡大した企業などに対して昨年に引き続き「年収ベースの賃金引上げ」への前向きな対応を呼びかけていく。一方で、個人消費に力強さに欠けるのは将来不安が根強いからであり、政府に対して持続的な社会保障制度の確立や働き方に中立な税制の構築などに向けて一層働きかけを強化していく。」と述べた。
 
一方、神津会長は3つのポイントを中心に提起した。

1)世の中全体へのメッセージの発信
  連合と経団連が世の中全体に力強いメッセージを発信していくことが何より重要。一人ひとりの働く者が、如何にして働き甲斐・やりがいを高めていけるか、明日への展望を拓いていけるか、そしてその基盤のもとにマクロ経済が活力を取り戻せるかであり、リーダー的存在の各労使が具体的にどのように形にしていけるかが問われている。世の中全体への波及効果と、消費購買力の底上げを担保できるのは月例賃金の引き上げに他ならないと考える。
 
2)労使関係のバネ力を原点とすること
 ヨーロッパの先進諸国のような労働協約の拡張適用の仕組みをもたない日本においては「春闘」に代替効果が求められる。しかし、約20年間のデフレにより代替効果は機能せず格差が拡大してしまったため、ここ数年の交渉はこれをどう克服していくかが問われており、成功すれば春闘の歴史上はじめてのことである。そのためには、たとえ物価が上がっていなくても賃金を上げるべきことが日本全体に広がらなければならず、労使の緊張関係、バネ力、それをベースにした生産性の向上が正のサイクルとして不可欠である。そしてそれは生み出している付加価値に応じた正当な対価を得ていくという、企業対企業・企業対消費者の営みに波及する原動力にもなるべきものである。一方、日本の中小企業は労働組合の組織率が極端に低いため、連合は労働組合づくりの重要性を訴えるとともに、労使関係のバネ力、その原点への注目をいざなうアピールを春闘交渉と並行して進めていく。
 
3)「働き方改革」について
働き方改革実現会議では、「長時間労働の是正」と「同一労働同一賃金」がメインテーマになると考えている。正規・非正規の処遇の格差と、正社員の長時間労働の問題について正面から取り組むことがわが国の労使に求められている。しかし、法制化されれば問題が解決するというものではなく、個別労使間で労働協約や労使協定によって職場の中のワークルールとして形成され、遵守されていかなければならない。
 
意見交換では、2017春季生活闘争の方針と課題について連合の考え方を主張するとともに、「公正取引の実現について」や「労働時間規制のあり方」や「将来世代育成の取り組み」などについて意見交換を行った。

2017春季生活闘争は、いよいよ本格的な労使交渉に移る。
 
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