物、人、金、そして企業が国境を越えて縦横に移動するようになった現在、国内外で事業を展開している多国籍企業にとって、建設的な労使関係を構築し、相互信頼を確立することはますます重要になってきている。そこで連合では、日系多国籍企業における労使紛争の未然防止や健全な労使関係の確立に向けた対応、および国際的な指針について、以下のとおり整理した。
連合の取り組み
- 在外日系多国籍企業における労使紛争への対応手続き(PDFファイル
129 KB) (2003年3月連合中央執行委員会採択)
在外日系多国籍企業において労使紛争が発生した場合、連合の関係構成組織および国際産業別労働組合組織(GUFs)日本組織が対応すべき手続きを掲載。 - 二国間セミナーの実施
連合は、日系多国籍企業が多数進出しているアジア地域の労働組合と共催で「日系多国籍企業の健全な労使関係」構築に向けたセミナーを原則毎年開催しており、OECD多国籍企業行動指針(ガイドライン)の概要とそのメカニズムについて紹介を行うなど、労働組合の立場での普及活動に取り組んでいる。
※1995年以前は、「多国籍企業問題対策労組連絡会議(TCM)」にて実施<過去の開催実績> 1996年10月 マレーシア 1997年10月 ベトナム 1998年11月 中国 1999年11月 韓国 2000年11月 タイ 2002年11月 フィリピン 2003年12月 マレーシア 2005年5月 ベトナム 2007年1月 インドネシア 2008年8月 フィリピン 2009年12月 中国 2010年10月 タイ 2011年8月 ベトナム
インドネシア(2007年1月)
フィリピン(2008年8月) - 連合・TUAC共催 OECD多国籍企業ガイドラインシンポジウムを開催(08/2/25東京)
2007年ドイツでのG8労働大臣会合、G8ハイリゲンダムサミットにおいて、グローバル化の社会的側面に明確な言及がなされ、「NCPを通じたガバナンスの強化」が呼びかけられた。TUACは、ガイドラインの運用強化に向けたフォローアップを図る目的で、2008年日本での開催を皮切りに、毎年、G8主催国において同様のシンポジウムを開催する方針である。 - 多国籍企業問題小委員会の開催
2007年12月に連合本部に多国籍企業問題小委員会を設置し、構成組織・GUFs間で情報交換や協議を行っている。
国際的な指針
- OECD多国籍企業行動指針(2011年改訂版)(PDFファイル
292 KB)
多国籍企業が営業・生産活動を行う場合、最低限尊重・配慮しなければならない事項を定めたもの。1976年、「国際投資と多国籍企業に関するOECD宣言」の一部として採択され、現在、OECD加盟国34カ国のほか、アルゼンチン、ブラジル、エジプト、ラトビア、リトアニア、モロッコ、ペルー、ルーマニアの合計42カ国が参加している。- OECD多国籍企業ガイドラインのユーザーズ・ガイド(PDFファイル
291 KB)(TUAC作成 連合編)
労働組合の視点から、OECDガイドラインの活用方法を解説。 - コンタクト・ポイント(PDFファイル
92 KB) (連絡窓口)
- ナショナル・コンタクト・ポイント(NCP)
ガイドラインの普及・実施のために、各国政府におかれている連絡窓口のこと。
労使紛争等、OECD多国籍企業ガイドラインに違反する事例が生じた場合、当該企業の母国のNCPに提起でき、NCPはガイドラインに則って早期解決にあたらねばならない。 - 日本のナショナル・コンタクト・ポイント(NCP)
日本のNCPは外務省、厚生労働省、経済産業省により構成されている。OECD多国籍企業ガイドライン普及とガイドラインに問題が生じた場合に問題処理を取り扱う。
日本連絡窓口(NCP)の事務処理手順(PDF)
個別事例処理の流れ(PDF)
- ナショナル・コンタクト・ポイント(NCP)
- 日本NCP委員会
連合、日本経団連、日本NCP(外務省、厚労省、経産省)の三者構成により、2008年8月に設置された委員会。ガイドラインの普及サポート、日本NCPの強化に向けて、定期的に意見交換を行っている。
- OECD多国籍企業ガイドラインのユーザーズ・ガイド(PDFファイル
291 KB)(TUAC作成 連合編)
- 多国籍企業および社会政策に関する原則(ILO三者宣言)(PDFファイル 220 KB)
OECDガイドライン同様、雇用、訓練、労使関係などについて、すべての政府と使用者団体、多国籍企業の労使が尊重すべき原則。1977年にILO理事会にて採択された。