労働者派遣は、1985年の労働者派遣法制定以来、1999年改正、2003年改正と制度の規制緩和が行われ続けてきました。
最近では、「偽装請負・違法派遣」「日雇い派遣」をはじめ、労働者派遣をめぐって様々な問題点が指摘され、社会問題となっています。
連合は、2007年9月に、「労働者派遣法見直しに関する連合の考え方」を取りまとめました。
連合は、労働者派遣法のこれ以上の緩和を許さず、労働者保護の視点で、派遣労働者の雇用の安定・公正処遇を実現する法改正を求めています。
労働者派遣法の制定・改正の経緯
労働者派遣法は、1985年(昭和60年)に制定され、職業安定法44条で禁じる労働者供給事業の例外として、労働者派遣事業を認めました。その後、経済情勢や産業構造の変化等を背景に、改正がなされていきました。
1999年改正では、対象業務がポジティブリスト方式からネガティブリスト方式へ変更され、対象業務が大きく拡大しました。2003年には、物の製造業務への労働者派遣が解禁され、派遣受入期間も、政令指定の専門26業務については期間制限が撤廃され、非26業務(自由化業務)については、最大3年に延長されるなどの改正がなされました。

年々増加する派遣労働者数
厚生労働省の調査によると、派遣労働者数は年々増加しており、とりわけ、法改正のたびに高い増加率を示しています。

出所:厚生労働省労働者派遣事業報告
伸び悩む派遣労働者の賃金
派遣労働者数は増加していますが、派遣労働者の賃金は伸びていません。また、派遣労働者の賃金は、年齢とともに上昇する幅が低くなっています。

出所:厚生労働省「労働者派遣事業報告書」。
派遣労働者の賃金は、派遣労働者1人1日(8時間)当たりの平均額。

出所:全労働者、短時間労働者については、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(平成17年)
派遣労働者については、厚生労働省「労働力需給制度についてのアンケート調査」(平成17年)
様々な問題が指摘されている労働者派遣
とくに登録型派遣(派遣元に登録し、派遣就労期間のみ派遣元と雇用契約を結ぶ)においては、様々な問題が生じています。
- 賃金が正社員や常用型に比べて低い
- 通勤手当の支給がない
- 教育訓練の機会が少ない
- 雇用契約期間が細切れで不安定
- 社会・労働保険の適用が完全ではない
また、労働者派遣法が想定しない「日雇い派遣」での労働者派遣法、労働基準法、労働安全衛生法等の違反や劣悪な労働条件、主として製造現場などにおける偽装請負・違法派遣の問題は社会問題にもなっています。

「日雇い派遣」で指摘されている問題
- 雇用が不安定
- 間接雇用であることに加えて、雇用契約期間が短い(日雇い)
- 仕事があるかどうか前日までわからない
- 仕事の当日キャンセルがある
- 賃金面
- 「データ装備費」「安全協力費」などの名目で不透明な天引きがある
- 移動時間や待機時間の賃金が払われない
- 物品購入を強制される
- 遅刻等のペナルティーとして労働基準法が認める範囲以上の賃金をカットされる
- 上記のようなことが行われる結果、手取り賃金が最低賃金を割り込むケースがある
- 安全衛生・教育訓練
- 派遣元・派遣先による安全衛生措置が適切に行われていない結果、労災事故が起きやすい
- 派遣元による雇い入れ時教育の未実施
- 社会・労働保険の未加入
- 労働条件の明示がされない
- 労働者派遣法で禁止されている業務に派遣されたケースがあった
- 二重派遣が行われたケースがあった