<別紙>パート労働者等の組織化推進ガイドライン

I.はじめに

 厚生労働省の「2002年労働組合基礎調査結果」では労働組合の組織率は20.2%となりました。これは、5人に1人しか組合員がいないことになります。組織率低下の主な要因は、現状の厳しい経済の中で企業倒産、雇用調整等により、正社員の数が減少する一方で、パート労働者等が急激に増加していますが、大部分が未組織労働者であること、また、100人未満の地場・中小企業企業の組織化が進んでいないからです。
 しかし、労働組合はこれまで大企業の正社員を中心に組織してきたため、これらの労働者の組織化に取り組んできませんでした。連合は、2001年の第7回定期大会で「組合づくり・アクションプラン21」の中で、最重点分野としてのパート労働者等の組織化に取り組むことを決めました。しかし、取り組んでいる構成組織はほんの一部にしかすぎません。大部分の構成組織は、検討中もしくは実態把握を行っているところです。これらの現状を踏まえ、構成組織、単位組合、地方連合会がこの分野の組織化を進めるための手法を作成しました。
 私たちは、パート労働者等を組織化し、全体の労働条件の底上げをはかることが正社員の雇用や労働条件を守ることにつながることを認識し、「組織拡大」を最重要課題として取り組んでいかなくてはなりません。
 そのことが、私たち連合がめざす社会、すべての人に働く機会と公正な労働条件が保障される「労働を中心とする福祉型社会」の実現につながっていきます。私たちはこれまで意識してこなかった「同じ職場で働く全ての労働者は、同じ仲間」というあたり前のことを自覚し、組織拡大に邁進しましょう。

1.ガイドラインの位置づけとパート労働者等

 このガイドラインは、今後パート労働者等の取り組みを進めようとしている構成組織・単位組合(加盟組合)・地方連合会が具体的な取り組み方針を策定し、組織化に取り組むための手法です。
 この中の、「パート労働者等」とは、企業内の有期雇用の準社員や契約社員、臨時社員、短時間社員、非常勤職員、嘱託社員など「正社員以外の労働者」をさします。

2.組織化の背景と必要性

(1)背景

(2)必要性

3.組織化の形態

  • (1)パート労働者等の組織化は、既存の単位組合で組織化することを原則とします。
  • (2)単位組合で組織化が不可能な場合は、単位組合内にパート組合を結成することもありえます。
  • (3)上記(1)(2)でも組織化が困難な場合は、構成組織が個人加入できる体制を確立します。
  • (4) 地方連合会は、単位組合や構成組織が組織化できない場合、構成組織とも連携をとり、地域ユニオンへの組織化を図ります。
  • (5)未組織企業で新たに組合を結成する場合は、結成段階でパート労働者等も組織化の対象とします。

4.組織化のメリット

(1) パート労働者等からみた組合加入のメリット

(2) 労働組合からみた組織化のメリット

(3) 経営者にとっての組織化のメリット

II.組織化の具体的な進め方

1.構成組織

(1)基本的な考え方

 構成組織での最大のポイントは、構成組織がまず、構成組織の企業内労働者の雇用形態等の実態を把握した上で、未組織労働者の「組織化の必要性」を理解し、単位組合が組織化に取り組むための環境作りをしていく「組織化の波」をつくり続けることにあります。
 具体的には、各構成組織の実態にあった「パート労働者等の組織化方針」を策定し、それを単位組合に指導・徹底するとともに、組織化に向けた支援を行っていくことが必要です。

(2)具体的な取り組みについて

2.単位組合

(1)基本的な考え方

 パート労働者等の組織化を実際に行うのは、単位組合であることを認識し、既存の組織で組織化することを原則とします。特に、労働基準法等で求めている従業員の過半数代表に達していない労働組合の組織化は、未加入者の組織化が最優先の課題と位置づけ取り組む必要があります。
 具体的には、まず、構成組織が行う企業内実態調査を行い、企業内組織率を出し、組織化の必要性を再認識する必要があります。正社員だけを組織化している場合は組合員範囲の拡大等により、労使関係のある全ての従業員を対象として組織化することを原則にします。
 組織化にあたっては、正社員と同じ時間働いている契約社員や社会保険の適用者からなど、優先順位をつけて取り組むと効果的です。

(2)具体的な取り組みについて

3.地方連合会

(1)基本的な考え方

 パート労働者等は、地域の地場・中小・零細企業にも多く存在することから、地域という括りでの取り組みも重要です。地域でのネットワークという観点からも、地方連合会でパート労働者等の加入を受け入れる必要があります。

(2)具体的取り組みについて

連合の取り組み

 連合は、「パート労働者等の組織化推進ガイドライン」がパートや契約社員等の組織化推進のため、構成組織・地方連合会の具体的方針策定に活用されるとともに、組織化の環境づくり、意識啓発のために下記の取り組みを行います。

  1. 組織化推進ガイドラインの周知・徹底
    • (1)あらゆる機会に組織化ガイドラインを構成組織、地方連合会へ周知により、各組織の組織化方針策定・具体化の推進。
    • (2)構成組織、地方連合会等への組織化学習会等への講師派遣、器材配布。
  2. 組織化のための器材の作成・発信
    • (1)パート組織化事例集の作成と関係器材の作成。
    • (2)連合ホームページ(パート・net・フォーラム)を活用した情報の発信。
    • (3)パート組織化のためのラジオCMの作成・配信。
    • (4)モデル労働協約やモデル労働組合規約の情報提供
  3. 組織化のための情報提供・交換
    • (1)パート等組織化シンポジウムの開催(6月頃)
      (役員等の意識啓発、先進事例の紹介、情報交換等)
    • (2)パート・契約労働者の集い開催(2月頃)
      (パート・契約労働者が参加できる集会の開催)
    • (3)構成組織・地方連合会の共通認識の共有化、意識啓発のための取り組み等
  4. 構成組織、地方連合会での取り組みを踏まえた組織拡大

     構成組織、地方連合会での取り組み推進をはかる中で、連合としてパート労働者等の実態を把握するとともに、構成組織の進捗状況を加味したより具体的な組織化に取り組む。

補足資料

1.構成組織の「パート労働者等の実態調査」について

(1)調査目的

 パート労働者等は、事業所単位で採用されている場合が多く、実態が一元的に把握されていないケースが多いので、まず、実態調査を行い、(1)パート労働者等がどの程度企業内に就労しているのか、(2)企業内の実際の労働組合組織率はどの程度なのかを確認し、その実態を把握することで、構成組織内のパート労働者等の組織化の必要性を再認識します。

(2)調査対象

 実態調査は、パート労働者等が、(1)どの事業所や職場で、(2)どのような雇用形態で、(3)何人が雇用されているのか、を把握することが必要ですので、パート労働者等へ直接調査を行うのではなく、調査対象は構成組織の単位組合(および企業)とします。

(3)調査項目のイメージ

 単位組合(企業)単位、もしくは支部・分会(事業所)単位で、パート労働者等の実態を調査します。なお、同じ事業所内で就労している関係会社等の従業員についても、必要に応じて調査を行います。

  1. 職種分類:生産職、販売職、電話オペレータ職、技術職、事務職等
  2. 雇用形態:パート労働者(1週の労働時間で区分、社会保険の適用か否かの区分など)、契約社員、派遣労働者等
  3. 性別:男女別に人数を把握。
  4. 組織化有無:すでに組織化されているか、もしくはパート組合等が結成されている場合は、組合員の範囲を確認する。

2.構成組織の「組織化方針」に入れる内容

(1)組織化推進の目的と考え方

 「パート労働者等の組織化は、単位組合が取り組むべきこと」を明記するとともに、「同一事業所で働く労働者は、雇用形態にかかわらず同じ働く仲間である」という認識のもとに、組織化の目的、考え方を記載します。
 また、構成組織はニーズを捉え、パート労働者等の加入目的やメリット等について議論した上で、組合員範囲の拡大による組織化を原則に、組織化に取り組みます。

(2)組織化の範囲

 実態調査の結果に基づき、雇用形態や労働条件による分類を行い、組織化する場合の優先順位づけを行います。原則として「同一事業所で働く全ての労働者全員」を対象に組織化を行うべきですが、より既存組合員に近い雇用形態のパート労働者や社会保険に加入している労働者から組織化をおこなうのが現実的です。

(3) 組合員の権利・義務

(4) 組織化の形態

 原則として、使用者側とユニオン・ショップ制で協定の締結を目指します。場合によっては、オープン・ショップ制で組織化を進め、その実績を背景にユニオン・ショップ制の協定締結を進めることを検討します。

3.単位組合の「組織化対象者へのアンケート」について

4.組織化事例について

 具体的な取り組みにあたっては、すでに取り組みの進んでいる同業種の単位組合の事例を参考にすると取り組みやすくなります。
 連合が作成している「パート等組織化事例集」や連合ホームページの「パート・net・フォーラム」の組織化事例等を参考にして下さい。


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