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事務局長談話

 
2014年11月18日

社会保険労務士法改正法案の成立に関する談話

日本労働組合総連合会
事務局長 神津 里季生
  1.  11月14日、社会保険労務士法(以下「社労士法」)改正法案が可決、成立した。労働組合活動の現場から、社会保険労務士(以下「社労士」)が団体交渉等に不当に介入することで正常な労使関係を損なう事態が生じているとの声があがる中、社労士の業容拡大のみを認める同法案が成立に至ったことは問題である。また、同法案は、労働者の権利保護に大きく影響をおよぼしかねないにもかかわらず、労働政策審議会での議を経ることなく、議員立法として法案提出、成立したことは極めて遺憾である。

  2.  改正法案は、[1]個別労働関係紛争に関する民間紛争解決手続きにおいて、特定社労士(社労士のうち、一定の研修を受けた上で紛争解決手続代理業務試験に合格した者)が単独で紛争の当事者を代理することができる紛争の目的価額の上限の引き上げ(60万円→120万円)、[2]労働関係事項について、全ての社労士が補佐人として訴訟代理人とともに出廷し、陳述することができる制度を創設することを主な内容とするものである。社労士法第1条が規定する「労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資する」という社労士の業務目的に逸脱するような事案が見受けられる中、労働関係事項における業容拡大は認められるべきではない。また、社労士の試験科目には個別労働紛争に関する科目が設けられておらず、対審構造に基づく訓練も行われていない中、特定社労士のみならず全ての社労士まで労働関係事項に関する補佐人業務を認めることは極めて問題である。

  3.  2005年社労士法改正によって社労士による労働争議への介入禁止規定が削除されて以降、地方連合会からは、社労士が団体交渉において会社側の代理人として交渉するなどの報告が後を絶たない。これを受け連合は、厚生労働省及び全国社会保険労務士会連合会に対し、社労士が団体交渉時に行うことができる業務の明確化(=厚生労働省が発出した通達の再整理)や、違法行為を行う社労士の指導徹底、更には全国社会保険労務士会連合会の苦情相談処理機能及び綱紀委員会の適切な運営等を強く求めてきた。今後、社労士の団体交渉への不当介入を含め労働紛争に係る不適切な事案を防止するため、これらの方策が一日も早く適切に講じられるよう一層強く求める。

  4.  今般の法改正により社労士の業容拡大が認められることになるが、業容拡大の内容に即した各種行為規制の整備や自主規制機能の一層の強化等を同時に実施することが不可欠である。連合は、個別労使関係、集団的労使関係の双方において社労士の不適切な事案が生じることのないよう現場での取り組みを一層進めるとともに、実効的な規制がなされるよう引き続き取り組んでいく。

以上

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