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事務局長談話

 
2014年11月 4日

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の基本ポートフォリオ変更に対する談話

日本労働組合総連合会
事務局長 神津 里季生
  1.  2014年10月31日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、厚生労働大臣の「中期目標」の変更を受け、基本ポートフォリオを含む「中期計画」を変更し、公表した。政府が「日本再興戦略」などで厚生年金保険法の趣旨を逸脱し、専ら被保険者の利益のためではなく、経済成長のために運用の見直しを掲げていることが背景にある中での変更であり、大きな問題がある。内容も、約130兆円の年金積立金について、これまで安全資産とされてきた国内債券の比率を大幅に引き下げる一方、国内外の株式の比率を大幅に引き上げ、不動産等による分散投資をより進めることとするなど、リスク性資産割合を高めた変更となっている。何より保険料の拠出者である労使や国民に対する十分な説明を欠いたまま変更したことは、極めて遺憾である。

  2.  ポートフォリオは、本来、厚生労働省が5年毎を目途に行う財政検証結果に基づいて厚生労働大臣が向こう5年間の「中期目標」を示し、それを受けてGPIFが「中期計画」の一部として策定する。今回の変更は、政治的介入のもと、次期「中期計画」を待たずして前倒しで行ったものであり、財政検証の位置づけを不明確にするものである。また、財政検証および運用目標である「名目賃金上昇率+1.7%」については、多くの専門家などが非現実的と指摘しており、財政検証のあり方についても抜本的に見直す必要がある。

  3.  連合は、年金積立金の運用への政治的介入は行わないこと、財政検証に疑義があること、GPIFにおいて労使の意思が確実に反映できるガバナンス体制を構築することを指摘してきた。年金積立金は、被保険者が将来の生活の安心を確保するための保険料の一部である。大きな疑義を持たれている財政検証のもとで、しかも政治的な思惑によって変更が行われたことは極めて問題である。国内債券の比率を60%から35%に大幅に引き下げ、国内外の株式の比率をともに12%から25%に大幅に引き上げたことで、リーマン・ショック時の損失実績をはるかに上回る損失発生可能性のあるポートフォリオとなった。国民は受給額削減という大きなリスクを抱えたことになる。

  4.  連合は、「年金積立金はだれのもの?」キャンペーンを展開し、現在、安全かつ確実な運用を求める地方議会決議の採択に向けた取り組みを進めている。引き続き世論喚起をはかりつつ、専ら被保険者の利益のための安全かつ確実な運用の堅持、GPIFにおける適切なガバナンス体制の構築、政治的介入の阻止のため、構成組織・地方連合会と一体となって取り組みを強めていく。

以上

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