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事務局長談話

 
2014年1月29日

労働力需給制度部会報告書「労働者派遣制度の改正について」に対する談話

日本労働組合総連合会
事務局長 神津 里季生
  1.  昨年8月以降、労働者派遣制度について検討を重ねてきた労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会(部会長:鎌田耕一東洋大学法学部教授)は、本日、「労働者派遣制度の改正について」と題する報告書を取りまとめた。報告書は、派遣は「臨時的・一時的な労働」とする原則を維持したものの、現在最長3年とされる期間制限の実質的な撤廃を求めるなど、原則すべての業務について派遣を解禁した1999年改正に匹敵する抜本的な改正が盛り込まれており、全体として労働者保護の後退を招くおそれが大きいと言わざるを得ない。

  2.  報告書は、(1)登録型派遣・製造業務派遣を禁止しないこと、(2)労働者派遣事業をすべて許可制とすること、(3)専門26業務という業務区分による期間制限を撤廃し新たな期間制限制度に見直すこと、(4)無期雇用派遣について違法な解雇がなされた場合、労働者派遣事業の許可を取消すこと、(5)派遣労働者の処遇について「均衡」待遇を推進すること、(6)2012年改正法のうち「日雇派遣の原則禁止」について法改正を行わずに実施できる見直しを検討すること、等を主な内容としている。

  3.  連合は、これ以上雇用が不安定な労働者を増やすべきではないという観点から、全国で運動に取り組むとともに、派遣は臨時的・一時的な労働であると位置付け、「常用代替の防止」の実効性維持、及び、「均等」待遇原則導入による「派遣労働者の保護」に向けた制度見直しを行うよう、強く求めてきた。しかし、報告書では、有期雇用派遣に係る期間制限のあり方が派遣先の過半数労働組合等への意見聴取に留められる等、労働者側のいずれの主張もとり入れられず、期間制限のあり方や派遣労働者の待遇といった主要論点について、労働者側が反対意見を付す形での取りまとめとなった。派遣労働者の6割が「正社員として働きたい」と希望する現状がある中、雇用の安定と処遇改善を求める派遣労働者の切実な声を受けた連合の主張が受け入れられなかったことは、極めて遺憾である。

  4.  今後、報告書にもとづき法律案要綱の審議が行われ、今通常国会に労働者派遣法改正法案が提出される見込みである。労働者側が反対意見を付した部分に関する懸念が払拭されずに法律案がまとめられれば、我が国に常態的な間接雇用法制が実質的に導入されることになりかねず、また、低処遇を放置したままに派遣労働が拡大する懸念が大きい。連合は、派遣労働者の雇用安定や処遇改善に向け、派遣期間制限の実効性確保や「均等」待遇原則の導入に近づけるべく国会審議での修正を求めるなど、必要な対応を引き続き強力に行っていく。

以上

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