事務局長談話

 
2018年07月27日
厚生労働省「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」報告書についての談話
日本労働組合総連合会

事務局長 相原 康伸

 

  1. 障がい者の事業場への定着を推進するものとして評価
     本日7月27日、厚生労働省「今後の障がい者雇用促進制度の在り方に関する研究会」(座長・阿部正浩中央大学教授)は報告書を取りまとめることとした。本研究会は、労使に加え、学識経験者、障がい当事者団体、障がい者支援施設関係者等で構成され、2017年9月より15回にわたり障がい者雇用について幅広く議論が行われた。報告書は、「障がい者が希望や特性に合った働き方」や「安心して安定的に働き続けられる環境の整備」など、従来から取り組みが行われてきた「雇用の量」に加えて「雇用の質の向上」を求めており、障がい者の事業場への定着を推進するものとして評価したい。
     

  2. 障がい者の雇用の質の向上と、安心して働き続けられる環境整備を明記
     報告書では、①障害者雇用促進法の雇用率制度の対象とならない週所定労働時間20時間未満の障がい者の雇用支援、②自宅や就労施設等での就業機会の確保、③通勤等が困難な障がい者が希望する場合の雇用によるテレワークの推進などが明記された。
     また、障害者雇用納付金・調整金制度について、対象企業の範囲を常用雇用労働者50人以上に拡大することに加え、大企業や就労継続支援A型事業所への調整金について支給上限額を設定することが記載された。
     
     

  3. 残された課題について継続した議論が必要
     障害者雇用促進法に差別禁止や合理的配慮の提供などの規定が盛り込まれ、法定雇用率も引き上げられる中で、障がい者雇用は着実に前進している。しかし、障がい者雇用ゼロ企業が多く存在し、障がい者の職場定着率が低いといった課題もある。連合が主張してきた「障害者手帳」を持たない人も含めた支援のあり方や、中高年齢層の障がい者への具体的な支援内容など、障がいの多様化に対応する施策等については、今後、別の場で議論が必要とされた。こうした検討については、新たに検討の場を設置し、速やかに議論すべきである。
     

  4. 職場環境の改善を推進し、障がい者雇用の促進とその質の向上を求める
     報告書を受けて、今後、労働政策審議会等で法改正も含めた議論が行われる。連合は審議会において、障がい者の雇用および職場定着の促進、働きづらさを抱える者に対する実効性の高い合理的配慮の実施を引き続き求めていく。併せて、障がい者雇用ゼロ企業の状況を改善し、障がい者雇用をさらに進めるためには、職場の労使の取り組みが不可欠である。連合は、職場における合理的配慮の実施と、理解促進の取り組みを推進していく。
    以 上