事務局長談話

 
2018年06月14日
史上初の米朝首脳会談についての談話
日本労働組合総連合会
                           事務局長 相原 康伸

  1. 非核化への足がかりとなるも依然として課題が残された
     6月12日、米国のトランプ大統領と、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による史上初の米朝首脳会談がシンガポールで行われ、非核化に向けての共同声明に署名した。両首脳が「朝鮮半島の完全な非核化」に向けて議論を行ったことは、北東アジアの非核化への足がかりとなるものであり、引き続き国際的な努力が進められることを期待する。しかしながら、共同声明で核放棄の具体策や期限が明確化されなかったことは残念である。
     

  2. 具体策や期限を明確にし非核化の着実な進行を
     共同声明では、米国による北朝鮮の体制保証、北朝鮮による朝鮮半島の完全な非核化への責務などが確認された。今後は、包括的な共同宣言を踏まえ、具体策や期限、プロセスを明確にして、非核化が着実かつ早急に進められなければならない。そのためにも、日本政府は唯一の核兵器被爆国として主体的な役割を発揮すべきである。
     

  3. 北朝鮮による拉致事件の解決に全力を尽くすべき
     拉致事件については、トランプ大統領が会談で直接提起したことを明らかにしたが、共同声明には盛り込まれなかった。拉致は明らかな人権侵害であり、日本政府は改めて北朝鮮と向き合い、拉致事件の全面解決および拉致被害者全員の即時帰国に向けて、全力を尽くすべきである。
     

  4. 核兵器の廃絶、拉致問題の解決に向けて連合の運動をさらに強化していく
     連合はこれまで、核兵器廃絶に向けて、国際労働組合総連合(ITUC)を通じて世界の仲間と連帯するとともに、国内では原水禁やKAKKINをはじめ、志を同じくする行政やNPO・NGOなど諸団体と運動を構築・継続させてきた。また、拉致問題の解決に向けては特定失踪者問題調査会などとも連携し、人権フォーラムの開催や、北朝鮮にいる日本人拉致被害者へのメッセージ発信などの運動にも参加してきた。今回の米朝首脳会談を受けて、連合は政府への働きかけや受け継いできた運動をさらに強化・発展させ、ナショナルセンターとしての社会的役割を発揮していく。
                                    
    以 上