事務局長談話

 
2018年06月01日
「生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部改正法」成立についての談話
日本労働組合総連合会

事務局長 相原 康伸

 

  1. 制度の充実に資する改正であり、概ね評価できる
     「生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律」が6月1日参議院本会議で可決・成立した。生活保護制度や生活困窮者自立支援制度の充実につながる内容であり概ね評価できる。一方、保護世帯に対する後発医薬品の使用原則化が明記されたことは、同医薬品の使用促進に資するものと考えるが、被保護者の健康で文化的な最低限度の生活を損なわないよう、慎重な運用が求められる。
     

  2. すべての生活困窮者に支援が届くよう任意事業の必須事業化を
     生活困窮者自立支援制度における任意事業の実施状況は、自治体間格差が大きい。すべての生活困窮者に支援が届くようにするため、今般の改正による就労準備支援事業と家計改善支援事業の一体的な実施による国庫補助率の引き上げ等を確実に実施すべきである。さらに、参議院の附帯決議に盛り込まれた各任意事業の必須事業化に向け速やかに検討に着手するとともに、支援員の処遇改善や事業委託契約における総合評価方式の活用等を着実に実施すべきである。また、就労準備支援事業における交通費等の個別給付の実施や子どもの学習支援事業における教育機関等との連携など事業の改善をすべきである。
     

  3. 生活保護基準の検証方法の開発などの着実な実施を
     生活保護制度については、政府の不祥事を受けて国会が不正常な中、多くの野党議員が欠席したまま、衆議院厚生労働委員会で「一般の年金受給者との公平性にも留意しつつ」見直しの検討を行うとの附帯決議が行われた。これは、年金と生活保護の制度の根本的な違いを理解せず、生活保護基準の引き下げを目的としたものと言わざるを得ない。一方参議院同委員会においては、立憲民主党、国民民主党の努力により、同基準の検証方法の新たな開発、最低生活費のあり方の検討、本年度の同基準の見直しにより生活水準の低下を招かないための万全の措置、生活保護の捕捉状況の正確な把握などを政府に求めるとした附帯決議が行われ、政府はこれらを着実に実施すべきである。
     

  4. さらなる社会的セーフティネットの充実を
     高齢化や単身化が進む中、地域や家族による支え合いが機能せず、また、職場や学校等の居場所を持つことができないなど、社会的に孤立する人に対する支援体制の確立は喫緊の課題である。連合は、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向け、運営の担い手である労働者福祉事業団体、NPOなどと連携し、両制度のさらなる改善など社会的セーフティネットの充実に取り組んでいく。
     
    以 上