事務局長談話

 
2018年05月31日
働き方改革関連法案の衆議院通過に関する談話
日本労働組合総連合会

事務局長 相原 康伸


  1. 高度プロフェッショナル制度が削除されずに通過したことは極めて遺憾
     5月31日、働き方改革関連法案が衆議院本会議で可決し、参議院に送付された。同法案は、当初予定されていた企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大については削除されたものの、高度プロフェッショナル制度の創設については残されたままとなった。時間外労働にはじめて罰則付きの上限規制を導入するなど、重要な長時間労働の是正に向けた施策がいくつも盛り込まれた中で、長時間労働を助長する懸念のある高度プロフェッショナル制度が、国会審議を通じても削除されずに衆議院を通過したことは、極めて遺憾と言わざるを得ない。
     

  2. 立憲民主党・国民民主党の両対案について審議を深めるべき
     政府提出法案に対して、立憲民主党と国民民主党は、それぞれとりまとめた対案を提出した。両法案は、働く環境をより良くしたいとの理念に沿って、高度プロフェッショナル制度の削除をはじめ、自動車運転業務についても5年の猶予期間後に一般則を適用すること、中小企業の施行日を大企業と同様にすることなど、働く者の声を受け止めたものである。この間両党は、取り得る国会対策上の対応をはかりつつ、両対案にもとづく主張を展開してきた。国会は、これら意義ある提案に耳を傾け、また、過労死等の不安を訴えるご遺族の声に、十分応えるべきである。
     

  3. 同一労働同一賃金の法整備について補強と確認が必要
     衆議院を通過した政府提出法案には、自民・公明・維新による修正がなされている。また、12項目にわたる附帯決議もなされた。附帯決議の中には、自動車運転業務に関して改善基準告示の見直しなども含まれている。しかし、これらは、高度プロフェッショナル制度が適用される労働者の過重労働の不安を、払拭できるものとはなっていない。
     また、雇用形態を理由とした不合理な格差の是正をはかる同一労働同一賃金の法整備についても、全体として十分な審議がなされたとは言えない。ガイドラインや比較対象労働者、説明義務、労働者派遣の労使協定方式などに関する、補強と確認が必要である。
     

  4. 働く者のための働き方改革の実現に向けて参議院で真摯な議論を
     同法案の審議は、今後、参議院で行われることとなる。参議院においては、高度プロフェッショナル制度の削除やハラスメントの防止対策の強化などいくつもの問題点・課題の解決に向けた、与野党の真摯な議論を強く望みたい。同時に、残された期間、働く者のための働き方改革を実現すべく、院内外において、構成組織・地方連合会・連合本部が一体となって全力で取り組む。

    以 上