事務局長談話

 
2018年05月17日
「生産性向上特別措置法案および産業競争力強化法等の一部改正法案」の成立についての談話


日本労働組合総連合会

事務局長 相原 康伸


  1. 雇用の安定や中小企業の底上げ・底支えをはかるべき
     5月16日、「生産性向上特別措置法案」および「産業競争力強化法等の一部を改正する法律案」が参議院本会議において可決・成立した。わが国産業の生産性向上や企業の経営基盤強化に必要な支援措置を講じるという法律の趣旨やそのための制度は概ね理解できる。しかし、雇用の安定、労働者保護ルールの遵守、中小企業も含めた支援体制の構築による底上げ・底支えがはかられるよう、法施行後の施策の展開を注視する必要がある。

  2. 雇用の維持・確保のための措置が不可欠
     法制定により、新技術の実証実験の取り組みを促進するための制度として「プロジェクト型『規制のサンドボックス』制度」を創設するとしているが、この制度のもとで、新たな規制の特例措置を雇用・労働に関する諸規制に適用することにより、労働基準を後退させるようなことがあってはならない。また、M&Aやスピンオフ(事業の切り出し・別会社化など)を円滑化するための会社法の特例措置等を講じるとしているが、事業の再編・再生は、雇用の維持・確保に大きな影響を与える可能性がある。計画の策定・実施に際して、雇用安定への十分な配慮、労働組合等との事前協議の実施などを確保するための措置が講じられるべきである。

  3. 働く者の声を附帯決議に反映
     連合は、衆議院経済産業委員会において、参考人として神津会長より意見陳述を行うとともに、連合フォーラム議員と連携し、国会対応を通じて上記の措置の必要性について働きかけを行ってきた。その結果、参議院経済産業委員会では、規制のサンドボックス制度について、「安全や雇用に問題が指摘される事業の実証については、規制法令に違反するものが認定されることのないよう厳に対応すること」、事業譲渡等について、「労働者の保護に資するよう、労働契約の承継ルールや労働組合等への説明・協議等に関する留意事項がまとめられている『事業譲渡又は合併を行うに当たって会社等が留意すべき事項に関する指針』等に沿った対応がなされるよう、周知を徹底すること」など連合が主張してきた内容が附帯決議に盛り込まれた。

  4. 連合は引き続き「底上げ・底支え」「格差是正」に全力で取り組む
     連合は、今後、附帯決議の内容が、法律の施行に関わる指針やその運用に反映されるよう積極的に関与していく。また、すべての働く者の「底上げ・底支え」「格差是正」に向けて本法律が適切に運用されることを求めていくとともに、その先にある「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、全力で取り組んでいく。
    以 上