事務局長談話

 
2018年05月16日
「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案」の成立に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 相原 康伸

  1. 政治分野における女性の参画推進に向けた法整備の大きな一歩
     5月16日、「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案」が、参議院本会議において全会一致で可決・成立した。2016年の第190通常国会に野党4党の法案が提出されて以降、2017年の第193通常国会には与野党で一本化された法案が改めて提出されたが、審議が進まず、早期成立が望まれていた。国会が混乱する中にあって、与野党が熟議の上、女性の参画の重要性を共通認識したものと理解し、政治分野における男女均等に向けた大きな一歩となる法整備がはかられたことを評価する。また、今回の動きが、政治分野に限らず、あらゆる分野における女性の参画推進につながることを期待したい。
     

  2. 国・地方選挙における男女の候補者数の均等をめざす
     主な内容は、国や地方議会の選挙において、男女の候補者数ができる限り均等となることをめざすこと、男女がその個性と能力を十分に発揮できるようにすること、家庭生活との円滑かつ継続的な両立が可能となるようにすることを基本原則として定めるものであり、政治分野における女性参画を後押しするものと期待できる。その上で、国には必要な施策を策定することや、政党その他の政治団体には、自主的な取り組みとして目標値を設定することが努力義務として定められた。また国は必要があると認める時は、必要な法制上または財政上の措置を講ずる旨も規定された。これらの実効性を高めるため、進捗状況のモニタリング等を通じ関係者の努力を求めていく。
     

  3. 理念法にとどまることなくクオータ制に向けた追加の法整備が必要
     現在の国政における女性議員の比率は、衆議院においては10.1%、参議院においては20.7%であり、第4次男女共同参画基本計画の2020年の達成目標である30%には遠く及んでいない。また、世界経済フォーラムが発表しているジェンダー・ギャップ指数において、わが国は144カ国中114位と主要先進国中最下位であり、特に政治分野では123位と大きく立ち後れている。本法律は理念法にとどまっており、今後は、政治分野における女性の参画をより積極的に推進するため、クオータ制(割当制)の導入へ向けたさらなる議論と追加の法整備が必要である。

  4. 連合は「男女平等参画社会」の実現を追求する
     連合は、「政策・制度 要求と提言」において、女性の政治への積極的参画に向けて、政党による女性議員の発掘・育成を支援し、議員の仕事と家庭の両立を支援する環境整備を求めてきた。引き続き、あらゆる分野における真の男女平等参画社会の実現に向けて取り組みを進めていく。
     
     以 上