事務局長談話

 
2018年02月07日
2018年度診療報酬改定に関する談話
日本労働組合総連合会

事務局長 相原 康伸

  1. 概ね評価できるが、診療明細書の無料発行推進が不十分
     厚生労働省の中央社会保険医療協議会(以下、中医協)は2月7日、2018年度診療報酬改定に関する加藤厚生労働大臣からの諮問に対し、答申を行った。地域包括ケアシステム構築に向けた医療と介護の連携強化や入院医療の機能分化の推進という点などは概ね評価できるものの、診療明細書の完全無料発行が実現しなかったことは非常に残念である。

  2. 入院医療の機能分化を推進しつつ、療養環境の確保を
     入院基本料については、急性期の病棟に関し入院患者の医療の必要性に応じた評価を導入し、基本料を再編・統合した。これにより、実態に見合った評価が期待される一方、少ない看護配置でより多くの重症患者を看ることも懸念され、療養環境の低下や看護職員の過重労働に懸念が残る。また、紹介状なしで大病院を受診した場合の定額負担の徴収義務対象医療機関の拡大は、医療資源の少ない地域での患者の医療アクセスを大幅に制限しかねず、適切な実態把握と十分な情報開示を行った上で引き続き検討すべきである。
     

  3. 患者本位の医療を確立する継続的な取り組みを
     診療明細書の無料発行については、自己負担のない患者に対しても患者の求めによらず発行が義務化されたが、医師が高齢である診療所等の免除は継続された。全ての患者の知る権利を担保するため、明細書にかかる啓発に強力に取り組むとともに、2020年度改定で免除措置を撤廃すべきである。また、精神病患者の地域移行については、訪問看護支援の充実が盛り込まれたが、居住の確保や相談支援の充実など、さらなる体制の強化が求められる。
     

  4. 働き方改革を実現し安心と信頼の医療を確立しよう
     連合は、安心と信頼の医療を実現するため、診療報酬改定にあたり、中医協の支払側各団体と連携し、政府への要請や中医協での意見反映に取り組んできた。今後ますます高まる医療ニーズに対し、医療の質・量を充実させるためには、医療従事者の勤務環境改善が不可欠である。連合は引き続き、構成組織・地方連合会、保険者や職能団体などと連携し、持続可能な医療保険制度、効率的かつ良質な患者本位の医療提供体制、医療従事者の働き方改革の実現をめざし取り組みを進めていく。
    以 上