事務局長談話

 
2017年06月12日
「女性活躍加速のための重点方針2017」発表に対する談話

日本労働組合総連合会
事務局長 逢見 直人


  1. 政府の「すべての女性が輝く社会づくり本部」は6月6日、「女性活躍加速のための重点方針2017」を発表した。この方針では、女性を持続的成長と社会の活力維持のための最大の潜在力であると位置づけているが、女性を経済成長の道具としてとらえるのではなく、男女が対等・平等で人権が尊重され、その個性と能力を発揮できる社会をつくりあげることが必要である。

  2. 重点方針には、女性活躍の前提となる長時間労働の是正や、女性が多くを占める非正規雇用労働者の処遇改善、女性に対するあらゆる暴力の根絶に向けた施策などが示されている。その中で、これまで取り組みが進んでこなかった若年層の性的搾取に関する相談・支援や、男女別統計(ジェンダー統計)に触れている点は一定の評価ができる。

  3. しかし、女性の健康支援の取り組みにおいて、その大前提となるリプロダクティブ・ライツ(性と生殖の権利)への言及がない点は不十分と言わざるを得ない。また、女性活躍のためには、男性の家事・育児への参画が不可欠であり、性別役割分担意識の払拭に向けて、意識啓発に留まらない抜本的な社会制度の改善・整備を進めるべきである。加えて、性暴力被害者の支援において女性などの立場に立った適切な対応を行うことや、いわゆる「LGBT」など、性的指向や性自認に関する課題についても、ジェンダーの観点からの施策が求められる。

  4. 日本に対しては、国連女性差別撤廃委員会の勧告など国際社会からジェンダーに関するさまざまな課題が指摘されている。政府はそのことを重く受け止め、課題の解消に向けていっそうの取り組みを推進するべきである。連合は引き続き、男性も女性も、誰もが働きやすく暮らしやすい社会をめざし、組織をあげて男女平等参画の実現に取り組んでいく。
    以 上