事務局長談話

 
2016年12月22日
医療・介護保険制度の見直し案などに対する談話
日本労働組合総連合会

事務局長 逢見 直人


  1. 2017年度政府予算案が12月22日に閣議決定され、予算に関連する医療・介護保険制度の改革項目と2017年度介護報酬改定の財源規模が固まった。これに伴い、具体的な医療・介護保険制度の見直し案が明らかになった。消費税率の引き上げが見送られる中、医療・介護ともに、高齢者を中心に患者・利用者の自己負担や保険料の負担増を求める内容となっており、高齢者の生活や現役世代の介護と仕事の両立に深刻な影響を及ぼすことが懸念される。また、介護報酬改定については、人材確保に向けてさらなる処遇改善の実行が不可欠である。

  2. 医療・介護保険制度の見直しについては、高齢者の高額療養費(医療)、高額介護サービス費、高額介護合算療養費の負担上限額の引き上げや、介護保険の自己負担3割の導入など、高齢者に負担を求める内容が多くなっている。連合が審議会で主張した年単位による高額療養費の負担上限額の新設は盛り込まれたが、負担増となる患者・利用者が今後も必要な医療・介護を受けられるよう、見直しの影響を丁寧に検証しながら、段階的に実施していくべきである。

  3. また介護納付金の総報酬割については、連合は審議会で、医療保険制度における後期高齢者支援金が全面総報酬割への移行過程にあり、検討は時期尚早と強く主張してきたが、段階的に導入されることとなった。これにより捻出される国費財源の使途は明らかにされておらず、介護人材のさらなる処遇改善や、「介護離職ゼロ」に資するよう介護保険サービスの維持・確保に充てることを強く求める。

  4. 2017年度介護報酬改定では、介護職員処遇改善加算に区分を新設し、まずは月額平均10,000円の賃金改善をはかることとされた。処遇改善策の前進とはいえるものの、その実感が得られるだけの水準としては十分とはいえない。介護人材確保のためには、全産業平均との月額約10万円もの賃金格差是正が必要であり、政府は一刻も早くさらなる処遇改善の施策を講じるべきである。

  5. 政府は既に、2016~2018年度の3カ年で社会保障関係費の伸びを1.5兆円に抑えることを掲げている。2018年度診療報酬・介護報酬同時改定をはじめ、今後も給付抑制の圧力が高まることが予想される。連合は、誰もが住みなれた地域で安心して必要な医療や介護を受けることができ、また介護離職のない社会の実現をめざし、次期通常国会での2017年度政府予算案審議や介護保険法改正法案への対応を含め、世論喚起や政府・政党に対する働きかけを強化していく。
    以 上