事務局長談話

 
2016年12月15日
「年金制度改革関連法案」成立に対する談話
日本労働組合総連合会

事務局長 逢見 直人


  1. 「年金制度改革関連法案」(公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案)が12月14日、参議院本会議で与党などの賛成多数により可決、成立した。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のガバナンスについて、理事長の独任制を改め経営委員会を新設することは評価できるが、労使の参画が10人中各1人とされ、保険料拠出者の意思の確実な反映には不十分な構成となったことは極めて遺憾である。また、社会保険の適用拡大が任意の適用にとどまったことは全く不十分である。

  2. 連合は、(1)社会保険のさらなる適用拡大、(2)基礎年金の生活保障機能の強化、(3)保険料拠出者の意見が確実に反映できるGPIFのガバナンス体制の構築、(4)年金積立金の安全かつ確実な運用の堅持などを求めてきた。その結果、参議院厚生労働委員会では、さらなる適用拡大の速やかな検討開始、低年金・無年金者の適正な生活保障の確保に向けた対策の強化、GPIF経営委員会に関する被保険者代表の定数・配分の検討など8項目の附帯決議が行われた。政府には同決議について誠実かつ速やかに対応を行うよう強く求める。

  3. 法案審議では、民進党が、給付抑制を徹底する年金額改定ルールの変更について、国民への影響を現実的な試算を示すよう一貫して政府に求めたが、政府からは一向に説得力ある説明がなされなかった。しかし、民進党の粘り強い追及により、連合がかねてより指摘してきた財政検証の甘さが露呈するとともに、塩崎厚生労働大臣から法案の財政効果試算と現実的な経済前提の下での財政検証を行う旨の答弁があり、附帯決議にも盛り込まれた。将来世代および受給世代双方における年金制度の信頼を取り戻すため、財政検証の実施にあたっては、政治的中立性の確保が不可欠である。

  4. 高齢者世帯においては、所得の7割を公的年金制度が占め、6割が公的年金所得のみで暮らしており、公的年金には、まさに高齢者の生活を支える重要な役割がある。連合は、現実的な経済前提による財政検証を踏まえつつ、公的年金制度のあり方について検証・検討を行っていくとともに、社会保険のさらなる適用拡大、基礎年金の生活保障機能の強化、GPIFにおける安全かつ確実な年金積立金運用を求め、世論喚起などに引き続き取り組んでいく。
     
    以 上