事務局長談話

 
2016年12月15日
「公益通報者保護制度の実効性の向上に関する検討会」最終報告書に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 逢見 直人

  1. 12月15日、消費者庁「公益通報者保護制度の実効性の向上に関する検討会」(以下「検討会」という。)は最終報告書を取りまとめた。公益通報者保護法の施行当時より連合が強く求めてきた通報者に対する保護・救済の強化につながる法改正について、本報告書において一定の方向性が示されたことは評価できる。

  2. 本報告書では、保護の対象となる通報者範囲の拡大、労務提供先に対する守秘義務の設定、不利益取り扱いに対する行政措置の導入、禁止対象とする不利益取り扱いの範囲や違反行為に対する効力を明確にしていくことなどの方向性が示された。その一方で、法理論上の問題や運用上の課題など、法改正につなげるためにはさらに検討を要する点も残されており、今後は、法改正に向けて具体的な検討を迅速に進めていくことが求められる。

  3. また、12月9日付で改正された「公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン」において、不利益取り扱いの具体的な内容が示されるとともに、不利益取り扱いを受けた通報者に対して適切な救済・回復の措置を講じることが新たに盛り込まれた点は評価できる。

  4. 連合は、これまで検討会に参画し意見反映に努めるとともに、パブリック・コメントに付された民間事業者向けガイドラインに対して意見提出などを行ってきた。今後も、真に通報者の保護・救済の強化につながる法改正やガイドラインの整備が進むよう、引き続き政府への働きかけなど必要な対応をはかっていく。
     
    以 上