事務局長談話

 
2016年07月28日
2016年度地域別最低賃金額改定の目安に関する談話
日本労働組合総連合会 事務局長 逢見 直人

  1. 7月27日、中央最低賃金審議会目安に関する小委員会(委員長:仁田道夫東京大学名誉教授)は、2016年度地域別最低賃金改定の目安をとりまとめ、7月28日の中央最低賃金審議会にその結果を報告した。
     地域別最低賃金額改定の引き上げ額の目安は、Aランク25円、Bランク24円、Cランク22円、Dランク21円となった。これは、連合が求める「誰でも1,000円」の早期実現には課題が残るものの、時間額表示に一本化した2002年以降では最も高い水準となった。

  2. 公益委員より「非正規雇用労働者の増加傾向や正規雇用労働者と非正規雇用労働者の賃金格差といった状況を踏まえて政府方針が取りまとめられ、これらに配意した調査審議が求められたことについて、最低賃金法第1条の法目的に立ち返った審議が必要である」との考えが示され、これに沿った検討・審議が進められた。これは、連合が主張してきた「最低賃金のあるべき水準を重視した議論が必要である」という審議のあり方について、一歩前進したものと受け止める。

  3. 加えて、目安の金額が従来と比較して高い水準にあることも踏まえ、地方最低賃金審議会に対して審議経過を正確に伝える必要があるとの労働者側の要請に応え、小委員会委員長名で「平成28年度の中央最低賃金審議会目安に関する小委員会報告についての補足説明」が示されたことも評価できるものである。

  4. 連合は、地方最低賃金審議会において、こうした議論経過も踏まえ、目安を尊重した審議がなされることを求める。そのうえで、すべての働く者に最低賃金の引き上げを早期に波及させるため、10月1日発効に向けた早期の結審をめざす。


以上

【参考】最低賃金法 第一条 この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。