事務局長談話

 
2016年03月30日
雇用保険法等の一部改正法案の成立に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 逢見 直人

  1. 3月29日、参議院本会議において「雇用保険法等の一部を改正する法律案」が全会一致で可決、成立した。法案は、企業における両立支援制度と社会保障制度の両方から漏れてしまう労働者への対策など一部に課題は残るものの、介護休業の取得の柔軟化や介護休業給付の引き上げ、65歳以降新たに雇用される者への雇用保険の適用拡大、保険料率の引き下げなど、法案の年度内成立も含めて概ね評価できる内容である。

  2. 成立した法案のうち、改正育児・介護休業制度に関する主な内容は、(1)介護休業の分割取得をはじめとする介護休業関連制度に関する柔軟な取得の促進、(2)有期契約労働者の育児休業取得要件の一部緩和、(3)育児・介護休業関連制度の利用を理由とした嫌がらせの防止などである。また、附帯決議には、有期契約労働者の育児・介護休業の取得要件を指針で明確化することや、ハラスメント被害者の就業継続のための環境整備、制度利用に関する実態調査の実施など、更なる制度の充実に向けた内容が盛り込まれた。

  3. 雇用保険制度については、改正法により早期に再就職した場合に支給される再就職手当の給付率引き上げなど給付の改善がはかられた。連合が強く主張してきた基本手当の水準を2000年ならびに2003年改正前の水準に戻すことや、暫定措置として2009年改正以降引き下げられた失業等給付にかかる国庫負担の法律本則(25%)への復帰は、今回、国会での法案審議を経て附帯決議に盛り込まれた。今後は、労働移動支援助成金の適正化やマルチジョブホルダーへの雇用保険適用に向けた検討、シルバー人材センター事業における適正就業の確保が必要である。

  4. 連合は、附帯決議に盛り込まれた内容を踏まえ、介護休業関連制度の柔軟な利用促進、有期契約労働者の育児・介護休業制度取得に関する要件の明確化、被害者支援をはじめとするハラスメント対策の充実など、法案の実効性の担保に向け、労働政策審議会の省令・指針に関する議論に臨んでいく。また、雇用保険制度のセーフティネット機能の強化、両立支援制度の拡充に取り組むなど、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて引き続き全力で取り組んでいく。


以上