事務局長談話

 
2016年03月29日
2016年度政府予算成立についての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 逢見 直人

  1. 3月29日、2016年度政府予算が参議院本会議において与党などの賛成多数で可決・成立した。連合は、デフレから脱却し経済の好循環を実現させるためには、すべての働く者の「底上げ・底支え」「格差是正」に資する政策の実行が必要との観点から、国会での真摯な審議のもとでの政府案の見直しを求めてきた。しかし、そのような観点からの修正がなされないまま、成立に至ったことは残念である。

  2. 本予算では、社会保障・税一体改革の三党合意を受けて昨年3月に閣議決定された1兆円超程度の子ども・子育て支援新制度の財源が確保されず、年金生活者向けの臨時福祉給付金というバラマキ予算が計上されたことは極めて遺憾である。加えて、保育所待機児童の問題が深刻さを増す中、その解決に向けて保育士の処遇改善が最大の課題であることが国会審議において改めて確認されたにもかかわらず、予算案は修正されなかった。このように本予算は、国民生活の現実を直視し将来に責任をもった内容であるとは到底言えない。

  3. また、連合は、教育の機会均等を保障するため、就学前教育の無償化と高等教育における給付型奨学金の導入を強く訴えてきた。しかし、本予算では、年収360万円未満の世帯に対する同時就園要件を撤廃し、低所得のひとり親世帯などに対する第2子以降の保育料を無償化するにとどまった。他方で奨学金制度については、全国の大学・大学院生のおよそ3割にあたる87万人以上が有利子奨学金を利用せざるを得ない中で、無利子奨学金の新規貸与者枠の拡大はわずか6千人程度に止まっている。これでは、親の経済的背景の違いによる教育機会の格差がもたらす「貧困の連鎖」を断ち切ることなど期待できるはずもない。

  4. 連合は、財政制度等審議会や政府・政党への要請行動などを通じて、くらしと雇用を優先した政策の実施を繰り返し求めてきた。引き続き、すべての働く者の「底上げ・底支え」「格差是正」をはかる政策・制度要求の実現、その先にある「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、全力で取り組んでいく。


以上