事務局長談話

 
2015年12月25日
「第4次男女共同参画基本計画」の閣議決定に関する談話
日本労働組合総連合会 事務局長 逢見 直人

  1. 12月25日、政府は、2016年1月から5年間における「第4次男女共同参画基本計画」(以下、第4次計画)を閣議決定した。「男性中心型労働慣行等の変革と女性の活躍」を掲げるなど、意欲的な政策分野を掲げている点は、一定の評価ができる。一方で、当面の目標年限である2020年に向けた最終の計画であるにもかかわらず、個別の数値目標を見れば消極的なものにとどまっており、性差別の是正や人権の確保に関する施策も不十分である。

  2. 第4次計画は、「基本的な方針」、「施策の基本的方向」の2部構成となっている。このうち後者は「あらゆる分野における女性の活躍」、「安全・安心な暮らしの実現」、「男女共同参画社会の実現に向けた基盤の整備」、「推進体制の整備・強化」の4つの政策領域に分かれている。

  3. とりわけ、第4次計画では「あらゆる分野における女性の活躍」が前面に押し出されている。しかしながら、第2次計画から約10年間掲げられてきた主要目標である「2020年までに指導的地位に占める女性割合30%」については、今回は民間・公務を問わず多くの領域で数値目標が30%を下回っており、取り組みが後退している印象を拭えない。また、民主党政権下で策定された第3次計画で掲げられた「男女平等」の文言が姿を消しただけでなく、人権政策に関わる「安全・安心な暮らしの実現」領域における貧困や社会的弱者に関する政策分野の施策が不十分であり、人権の尊重を謳った男女共同参画社会基本法の趣旨に照らしても問題があると言わざるを得ない。

  4. 男女平等社会の実現に向けて、政府全体での一層の取り組みはもとより、あらゆる分野における取り組みが加速されなければならない。連合は、2013年に策定した連合「第4次男女平等参画推進計画」に基づく取り組みをはじめ、男女平等社会の実現に向けて、引き続き組織をあげて全力で取り組みを進めていく。


以上