事務局長談話

 
2015年03月13日
労働者派遣法改正法案の閣議決定に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神津 里季生

  1. 政府は3月13日、労働者派遣法改正法案を閣議決定し、国会に提出した。同法案は、派遣期間制限を実質的に撤廃するとともに、均等待遇原則の導入を見送るなど、“生涯派遣で低賃金”の労働者を拡大させ、労働者保護の大幅な後退を招く内容のままである。昨年二度にわたり廃案となったにもかかわらず、ほぼ同じ内容で三度目の国会提出がなされたことは、誠に遺憾である。

  2. 同法案は、労働者派遣制度の2つの世界標準の考え方である、「派遣は臨時的・一時的業務に限ること」及び「均等待遇」の両方を満たしていない。低処遇を放置したまま我が国に常態的な間接雇用法制を実質的に導入するものであり、「給料は上がらないし、ボーナスも出ない。雇用不安で結婚もできない」といった派遣労働者が抱える課題を根本的に解決するものとはなっていない。

  3. なお、三度目の国会提出にあたっては、自公両党の政調会長合意にもとづき、「臨時的・一時的」を原則とする考え方を考慮する旨や雇用安定措置の内容について法律に明記すること、均衡・均等待遇の在り方を検討するための調査研究を行う旨の附則の追加等の条文修正がなされることとなった。しかし、それらの内容は、労働者保護に対し、実効性が乏しいものと言わざるを得ない。

  4. また、手続きにおいても、政党間の合意内容をもって内閣提出法案として提出されたが、本来、労働分野における政府提出法案は、ILO三者構成原則に則って労働政策審議会での議論を改めて経るべきであるにもかかわらず、同審議会で一切検討することなく閣議決定に至ったことは、極めて問題である。

  5. 連合は、これ以上低賃金・不安定雇用の労働者を増やすべきではないとの観点から、労働者保護を後退させる今回の政府法案の成立阻止に向けて、組織の総力を結集し、国会内外での取り組みを強力に展開していく。


以上