事務局長談話

 
2015年02月03日
2014年度補正予算成立についての談話
日本労働組合総連合会 事務局長 神津 里季生

  1.  2月3日、2014年度補正予算が参議院本会議において可決・成立した。多くの国民が景気回復の実感を持てず、とりわけ個人消費や地方経済の自律的な回復が求められるなかで、地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策の具体内容やその効果についての十分な審議時間と精査がないまま、成立に至ったことは残念である。

  2.  補正予算に盛り込まれたその事業の多くは、本来、次年度予算に計上すべき事業であり、年度内の確実な予算執行についても信憑性に欠ける点で問題を残している。また、一部に国民生活に配慮した事業は計上されているものの、地方における雇用のミスマッチ解消や質の高い雇用創出、保育・教育環境の質的改善・量的拡充に向けた子育て支援など、くらしの底上げ・底支えに資する事業については規模が小さく不十分である。

  3.  さらに、「地域消費喚起・生活支援型」、「地方創生先行型」として盛り込まれた交付金などは、単なるバラマキに終わる懸念があり、過去の類似の施策から見てその効果が不透明である。執行段階において個々の事業効果の検証や重複の排除などが厳格に行われなくてはならない。

  4.  補正予算の成立を受け、まもなく2015年度予算案の審議が始まる。デフレからの脱却を確実なものとし、日本経済を堅い内需のもとで持続的・安定的な成長軌道に復帰させるためには、良質な雇用の創出や社会的セーフティネットの強化など、くらしの底上げ・底支えと格差是正につながる政策の実行が不可欠である。
     連合は、引き続き民主党と連携しながら、社会保障財源の問題などを指摘し、政府案の見直しを求めていくなど、働く者・生活者の視点に立った政策・制度要求の実現に向けて全力で取り組んでいく。


以上