事務局長談話

 
2013年12月25日
「2014年度政府予算案」の閣議決定に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神津 里季生

  1. 12月24日、政府は一般会計総額を当初予算としては過去最大の95.9兆円とする2014年度予算案を閣議決定した。本予算案については、消費税率の引上げをはじめ国民負担を求める一方で、公共事業の更なる積み増しを盛り込むなど、全体のバランスを欠いており、問題である。また、社会保障・税一体改革を実現する最初の予算であることを強調しているが、社会保障制度の抜本改革の道筋は未だ示されていない。政府の主張する経済再生・デフレ脱却と経済の好循環を成し遂げるためにも、質の高い雇用の創出や社会的セーフティネットの強化などに重点的に予算配分を行う必要があり、国会での議論を通じた見直しを求める。

  2. 本予算案では、公共事業費が2年連続の増額となったが、約1兆円を盛り込んだ2013年度補正予算案とあわせて規模と内容の精査が必要である。社会保障関係費では、待機児童の解消加速など子育て支援を推進するための予算が増額されるとともに、低所得者対策が強化された。しかし、貧困・格差の拡大につながる生活保護費削減の継続、医療保険制度の持続可能性が懸念されることとなる診療報酬のプラス改定については、遺憾と言わざるを得ない。加えて、地方交付税の削減は、社会保障の充実に向けた地方自治体の実施体制整備の支障になりかねない。また、雇用政策では、安易なリストラを誘発しかねない労働移動支援助成金等の拡充をはかるとともに、雇用調整助成金の支給要件をリーマン・ショック以前と同程度まで厳格化するとしている。雇用調整助成金は急激な景気変動時に備え、今後も制度を維持した上で、柔軟かつ機動的な対応がはかられるべきである。

  3. 財政健全化に向けては、国の一般会計の基礎的財政収支を2013年度比で5.2兆円改善し、新規国債発行額を1.6兆円減額していることから、政府は財政健全化目標に大きく前進できたとしている。しかしこれらは、消費税率の引上げや法人税収の増加といった税収増に因るところが大きく、歳出の無駄の排除や効率化・重点化については踏み込み不足である。将来世代へ負担を先送りしないためにも、抜本的な財政構造の見直しを示す必要がある。

  4. 連合は、真に暮らしと雇用の安定・向上につながる予算編成を求め、財政制度等審議会での意見反映や政府・政党への要請行動を展開してきた。引き続き、「STOP THE 格差社会! 暮らしの底上げ実現」をめざし、国民の安心・安全につながる政策が実行されるよう、すべての働く者の視点に立った政策・制度要求の実現に向けて、全力で取り組んでいく。


以上