事務局長談話

 
2013年12月10日
社会保障改革プログラム法に関わる談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神津 里季生

  1.  「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律(社会保障改革プログラム法)案」は、12月5日、参議院本会議において与党の賛成多数で可決・成立した。2018年までの改革の方向性とスケジュールを示した法律であるが、社会保障制度改革国民会議「報告書」と同様、高齢者医療制度と年金制度の抜本改革の方向性が示されていないなど、その内容は不十分である。

  2.  プログラム法は、少子化対策、医療制度、介護保険制度、公的年金制度について、2013年度から2017年度までの改革の検討項目、実施時期、関連法案の提出時期の目途を明示するものである。今後の改革の方向性を全世代対応型としていること自体は評価できる。しかし、国民会議「報告書」で示された医療と介護の「総合合算制度」の創設は結局法律に盛り込まれていない。また、被用者保険に係る後期高齢者支援金のすべてを総報酬割とすることによって生じる財源を国民健康保険に投入することが意図されている。さらには介護保険における予防給付の見直しが明記されたことで市町村事業への移行がすでに検討されている。公的社会保険制度の根幹を変更する内容が盛り込まれており、かつ、社会保障給付の削減が前面に出されているなど、問題がある。特に医療・介護分野での消費税引上げ分の還元策が十分に示されないまま成立したことは残念である。

  3.  連合は、民主党政権のときから一貫して、社会保障と税の一体改革については、生涯を通した切れ目のない安心の「全世代支援型」社会保障制度への再構築をめざしてきた。10月の中央執行委員会で「今後の社会保障制度改革に対する連合の対応について(その1)」を確認し、地域包括ケアシステムの実現に向けた病院・病床の機能分化と医療・介護の連携の強化、医療保険制度の持続可能性を確保するための高齢者医療制度の抜本改革、介護の重度化防止につながる介護保険制度の確立、安心と信頼の年金制度の構築に向けた抜本改革などを求めてきた。

  4.  プログラム法の成立を受けて、2014年の通常国会には医療法等の改正法案と介護保険法改正法案が、2015年には医療保険法等改正法案が提出される予定である。連合は引き続き、政府・政党への要請や、関係審議会、国会への対応をはかり、安心と信頼の社会保障制度の確立に取り組み、「働くことを軸とする安心社会」の実現をめざしていく。


以上