事務局長談話

 
2013年10月18日
国家戦略特区における規制緩和に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 神津 里季生

  1. 10月18日、政府は、安倍総理出席の下で日本経済再生本部を開催し、国家戦略特区における規制緩和事項等の検討方針を決定した。雇用については、新規開業直後の企業やグローバル企業等を念頭に、「雇用条件の明確化」及び「有期雇用の特例」に関する措置を講じることとされた。

  2. 連合は、特区での解雇規制や労働時間規制の緩和は、すべての国民に等しく適用されるべき生存権的基本権としての労働者保護ルールの枠組みを否定するものであるとして、構成組織・地方連合会と一体となり、断固反対の取り組みを進めてきた。今般、こうした形での労働者保護ルール改悪がひとまず見送られたのは、連合がこれまで主張し行動してきたことが反映されたものと理解している。

  3. 「雇用条件の明確化」については、特区に「雇用労働相談センター(仮称)」を設置し、企業からの要請に応じ、裁判例を類型化した「雇用ガイドライン」に雇用管理等が沿っているかといった具体的事例に即した相談・助言サービスを実施するとしている。しかし、相談・助言が、企業が企図する解雇に対して実質的な可否判断権を意味するものとならないよう、「雇用ガイドライン」のあり方を含め、慎重に運営されることが不可欠である。

  4. 「有期雇用の特例」に関しては、特区ではなく全国規模の規制緩和として、一部の労働者について、有期労働契約の無期転換申込権発生までの期間(現行「5年超」)等を見直す方針が示された。当初議論されていた「特区内での無期転換申込権の事前放棄の容認」が見送られたことは当然であるが、本年4月に施行されたばかりの無期転換の仕組みを早くも一部の労働者に限って見直そうとするものであり、無期転換による雇用の安定を後退させるものと言わざるをえない。今後の労働政策審議会では公労使三者による慎重な議論が尽くされるべきである。

  5. 一方、政府は、国家戦略特区とは別に、産業競争力会議や規制改革会議等の場で、解雇規制や労働時間規制、限定正社員の雇用ルールのあり方等に関する論議を継続しており、労働者保護ルール改悪への動きを一向に止めていない。連合は、今後も、構成組織・地方連合会と一体となって、労働者保護ルール改悪の阻止に向けた社会的運動を全力で展開し、「働くことを軸とする安心社会」の実現を目指した取り組みをこれまで以上に強力に進めていく。


以上