2025年11月28日
「租税特別措置法及び東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律」成立(ガソリン・軽油暫定税率廃止)に対する談話
1.国民のくらしを圧迫する物価高への対策として評価
11月28日、「租税特別措置法及び東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律」(以下、改正法)が、参議院本会議において全会一致で成立した。これにより、揮発油税・地方揮発油税は12月31日に、軽油引取税は来年4月1日に「当分の間税率」が廃止される。廃止までの間に実施される補助金によるガソリンおよび軽油価格の段階的引き下げとあわせ、国民のくらしを圧迫する物価高への対策として評価する。
2.「当分の間税率」の課税根拠は既に失われていた
「当分の間税率」は、道路整備を目的とする特定財源として1974年に本則税率に上乗せする形で導入された暫定税率が起源である。当初は2年間の臨時措置とされたが、繰り返し延長され、2009年度の一般財源化により課税根拠が失われたにもかかわらず半世紀以上も維持されてきた。今回、自動車重量税の「当分の間税率」は見直されなかったが、原油価格上昇・円安進行によるガソリン価格高騰を背景に国民民主党・立憲民主党を中心に粘り強く取り組んできた結果、11月5日に与野党6党の合意に至り、揮発油税・地方揮発油税および軽油引取税の「当分の間税率」廃止が実現した。
3.地方の財政運営に支障が生じないよう適切な対応が必要
改正法は、附則において「当分の間税率」廃止のための安定財源確保に向け、①法人税関係特別措置の見直し、極めて高い所得に対する負担の見直しなどの税制措置を検討し年末までに結論を得る、②道路などの社会資本保全の重要性や温室効果ガス排出量削減目標などとの関係に留意して引き続き検討し公布後1年を目途に結論を得るとした。財源確保に向けては、車が不可欠な地方の生活者や特定の業界が重税となる「走行距離課税」は導入すべきではなく、財源は幅広く検討・議論すべきである。
また、安定財源確保までの間は、附則にあるとおり、地方の財政運営に支障が生じないよう地方財政措置において適切に対応する必要がある。あわせて、「当分の間税率」廃止に伴う「燃料油価格激変緩和対策補助金」終了により影響を受ける国民や事業者への支援についても検討が必要である。
4.連合は「公平・連帯・納得」の税制改革実現に向けて取り組む
連合は、政府・政党への要請や、連合出身議員政治懇談会、連合フォーラム議員との連携により、働く者・生活者の立場に立った「公平・連帯・納得」の税制改革実現に向けて引き続き取り組んでいく。
以 上