2023年12月21日
国連気候変動枠組条約第28回締約国会議閉幕にあたっての談話
1.「公正な移行作業計画」に労働者の権利と社会的保護が盛り込まれたことを評価
12月13日、アラブ首長国連邦・ドバイで開催されていた国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)が、当初予定されていた会期を1日延長して成果文書を採択し、閉幕した。今会議では、パリ協定の目標達成に向けた世界全体の進捗を評価する「グローバル・ストックテイク(以下、GST)」に関する決定やCOP27で設置が定められた「ロス&ダメージ(気候変動の悪影響に伴う損失および損害)基金」の大枠が決定された。
この他、公正な移行作業計画では、「社会対話や社会的保護、労働基本権に基づく労働力の公正な移行と良質な雇用の創出」など、労働者の権利と社会的保護が言及されており、連合はこの点を評価する。
2.「自国の決定する貢献」に「公正な移行」を具現化するよう環境大臣に要請
一方で、GSTの成果文書ではこれまでの労働者や労働組合の貢献に全く触れられておらず、今後に課題が残った。
連合は、COP28会期中において、国際労働組合総連合(ITUC)と連携しながら、各ステークホルダーと公正な移行の実現について対話を行ってきた。とりわけ伊藤環境大臣との対話では、GSTの決定を受けて、今後、日本において温室効果ガス削減目標である「自国の決定する貢献(NDC)」を見直すにあたっては、「公正な移行」を盛り込むことおよびその具現化に向けた対応の必要性を述べるとともに社会対話の実施を要請した。
3.連合は2050年カーボンニュートラル実現にむけて自らも取り組む
日本において2050年カーボンニュートラルを実現していくには、本年2月に閣議決定された「GX実現に向けた基本方針」に対する国民や事業者の理解醸成が不可欠である。
連合は、公正な移行の実現によるGX実現を強く政府に働きかけるとともに、自らもITUCとの連帯を通じたグローバルレベルでの働きかけや、気候変動と雇用に強い職場づくりに向けた労使による対話促進、ピークカットアクションなどの取り組みを推進していく。
以 上