事務局長談話

 
2022年03月22日
ロシアによる日ロ平和条約締結交渉の中断表明に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.不当な措置であり撤回を強く求める
 3月21日、ロシア外務省は、日本との平和条約締結交渉を中断するとの声明を発表した。あわせて、北方領土問題解決のための環境づくりを目的とする「北方四島ビザなし交流」や共同経済活動に関する交渉などの中断も表明した。今回の声明は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に対する制裁を科した日本への対抗措置であり、ロシア側に起因する事態を日ロ関係に転嫁する姿勢は極めて不当である。
 連合はロシアによる今回の措置を厳しく批判し、その撤回を強く要求する。

2.国際秩序および人道上の観点からも看過できない
 日ロ平和条約の締結は、北方領土問題をはじめとする戦後処理を行い、外交交渉で日ロ間の戦争状態を平和裡に終結させようとするものである。今回のロシアの措置は、ウクライナへの軍事侵攻と同様、武力による一方的な現状変更とその固定化・既成事実化を目的とし、ロシアが過去の過ちを正す道を自ら閉ざす行為でもあり、国際秩序および人道上の観点からも決して看過することはできない。

3.連合は北方四島返還および日ロ平和条約締結に向け粘り強く運動を進める
 北方四島の不法占拠から80年近くが経過する中、北方領土問題の解決をはじめとする日ロ平和条約の締結は、わが国の真の平和の実現において必要不可欠な課題である。高齢化が進む元島民の切実な想い・願いの実現のためにも、連合はこれからも北方四島の返還と日ロ平和条約の締結に向けて粘り強く運動を進めていく。

以 上