事務局長談話

 
2021年11月01日
第49回衆議院選挙結果についての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 清水 秀行

1.国会の勢力図は変わらず極めて残念な結果
 2021年10月31日、第49回衆議院選挙の投開票が行われた。全国的に多くの選挙区で与野党一騎打ちとなる構図がつくられ各地で激戦が繰り広げられたが、その大半を与党が制するなど、自民党と公明党が293議席を獲得し、絶対安定多数を許す結果となった。第2次安倍政権発足以降、長らく続いた国会の勢力図が変わらず、二大政党的体制の実現に至らなかったことは極めて残念である。 
 また、今次選挙は2018年に「政治分野における男女共同参画推進法」が施行されて初めての衆議院選挙となったが、女性候補者の比率は前回選挙と同水準の約18%にとどまった。各党には一層の努力を強く求める。

2.立憲民主党・国民民主党の連携・協力の深化に期待する
 連合は、立憲民主党・国民民主党の議席の最大化をめざし、両党と政策協定を締結して三者一丸となって選挙戦に臨んだ。国民民主党は現職全員が当選し比例代表で議席を伸ばし健闘した。一方、野党第一党でもある立憲民主党は小選挙区で接戦を繰り広げたものの、改選前の議席を割り込んだことは大きな課題を残した。両党には、今回の選挙結果を受け止め、検証するとともに、働く者・生活者の立場に立った政策の実現に向けて、両党間の連携・協力をさらに深化させていくことに期待する。

3.低投票率に強い危機感、与野党には国民に寄り添った政治を求める
 今次選挙では、新型コロナウイルスへの対応、また、コロナ禍で露呈した日本社会の脆弱性を克服し、いかに将来への展望を切り開くかに焦点があたり、否応なしに国民の政治への関心が高まる状況にはあった。それにもかかわらず、投票率は前回を上回ったものの、戦後3番目に低い数値になることが見込まれている。政治不信の表れともとれる有権者と政治との距離感に強い危機感を抱く。与野党ともに深刻に受け止め、国民に寄り添った政治に努めるべきである。

4.「働くことを軸とする安心社会」の実現に向け、組織一丸となって邁進する
連合は、今次選挙で働く者・生活者の立場に立った勢力の拡大をめざし闘ったが、推薦候補者の当選は前回と同じ99名にとどまり、多くの惜敗者が出たことは痛恨の極みである。連合は、「働くことを軸とする安心社会」の実現のために、立憲民主党・国民民主党とより密に連携するとともに、推薦議員との関係を強化し、政策実現に取り組む。また、今回の取り組みを検証し、来夏に行われる参議院選挙において明るい展望が開ける結果が得られるよう、組織一丸となって政治活動に邁進していく。

以 上