事務局長談話

 
2021年02月04日
日本オリンピック委員会における森喜朗会長の女性差別発言に抗議する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 相原 康伸

1.2月3日の発言は女性差別であり、連合として強く抗議する
 2月3日、日本オリンピック委員会(JOC)の評議員会において、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる、などと発言した。女性に対する偏見に満ちた差別発言であり、断じて許すことはできない。連合として強く抗議する。

2.オリンピック・パラリンピック憲章に反する
 オリンピック憲章は、性別や性的指向などによるいかなる種類の差別も禁止しており、今回の発言はその精神をないがしろにするものである。また、開催可否について世界的な注目が集まる中で、責任ある立場から差別発言がなされたことは、単にオリンピック・パラリンピックの開催だけにとどまらず、日本の人権感覚が国際社会からも疑われかねない。

3.国民および国際社会への真摯かつ丁寧な説明を
 森会長は翌2月4日の記者会見で発言の「撤回」を表明したが、それだけで国内外からの批判を払拭できるものではない。まして、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、大会関係者やアスリートだけでなく、男女共同参画社会の実現に向けて地道に取り組んでいる人々をも愚弄する行為と強く指弾されてしかるべきである。このことを重く受け止め、国民および国際社会への真摯かつ丁寧な説明が不可欠と考える。

4.性別による偏見や差別をなくし、だれもが平等に参画できる社会の実現を
 雇用の喪失や、増大する無償労働負担、深刻化するドメスティック・バイオレンス(DV)など、コロナ禍で多くの女性が苦境に立たされている今だからこそ、政治・経済のみならず、様々な分野で女性の参画を促し、女性の声を反映した政策・制度を実現・実行していくことが必要である。連合は、性別による偏見や差別をなくし、だれもが平等に参画できる社会の実現に向けて、引き続き全力を挙げて取り組んでいく。

以 上