事務局長談話

 
2021年02月03日
新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案の可決・成立に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 相原 康伸

1.附帯決議を踏まえ国民や事業者への支援を強化すべき
 新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案が2月3日、参議院本会議で可決・成立した。感染の拡大が長期化し、人々の心身への影響や経済的な負担が大きくなっている中、連合は丁寧かつ慎重な議論を求めてきた。与野党修正協議の結果、一部見直しを経て、審議・成立したものとして受け止める。政府は、命令や罰則を発動することなく感染防止対策に努めるとともに、両院での附帯決議を踏まえ、国民や事業者に対する支援の強化に全力を挙げるべきである。

2.「まん延防止等重点措置」の基準の策定を求める
 「まん延防止等重点措置」は、公示及び解除の基準が明らかになっておらず、命令や罰則の対象が不明確である。権利を過度に制限することのないよう、附帯決議を踏まえて客観的な基準を策定するとともに、発動時の速やかな国会報告が欠せない。また、事業継続を断念する事業者が増加しており、雇用への深刻な影響が懸念されている。政府は、幅広い業種を対象とした十分な補償と生活支援の強化とともに失業給付や職種転換の支援の充実など、働く者に対しても支援すべきである。

3.入院措置に応じられない者への配慮と保健所や医療機関への一層の支援を
 与野党合意により刑事罰から行政罰に修正されたとはいえ、入院措置に応じない場合の罰則規定は国民にとって非常に重い。感染者の家族の状況などの事情に十分配慮するとともに、感染者が必要な治療を受け安心して療養できる体制の確保などの環境整備が不可欠である。また、違法行為の告発義務が課せられる保健所の体制強化と業務負荷の軽減、感染者用の病床確保のための医療機関に対する支援の一層の強化が必要である。

4.すべての働く者の安心確保に向け、引き続き全力で取り組む
 今後は改正法に基づく感染防止策とともにワクチン接種が行われることとなる。国民が安心して接種できるよう、政府には、正確な情報提供と自治体との連携による円滑な接種体制の整備、非接種者に対する差別や偏見の防止のための強力な啓発が求められる。連合は引き続き、新型コロナウイルス感染症の早期収束とすべての働く者と家族の安心確保のため、政策実現活動や職場労使における対策の徹底、労働相談活動などに全力で取り組む。

以 上