事務局長談話

 
2020年06月30日
全世代型社会保障検討会議の第2次中間報告に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長     相原 康伸

1.新型コロナウイルス感染症で明らかになった課題を含めた検討が必要
 6月25日、政府の全世代型社会保障検討会議は「第2次中間報告」を取りまとめた。新型コロナウイルス感染症の影響により「最終報告」を本年末に先送りし、個別テーマに関する検討結果の報告にとどまっている。新型コロナウイルス感染症の拡大によって明らかになった課題を含め、将来を見通した「全世代型社会保障」について、国民の不安解消に資する検討の深掘りを求める。

2.すべての働く者の法的保護に向けた法整備を
 政府による休業要請などによって、フリーランスなど「曖昧な雇用」で働く人たちへのセーフティネットの脆弱性が明らかになり、その法的保護が喫緊の課題となっている。「第2次中間報告」では、独占禁止法や下請代金遅延等防止法など既存の経済法制をベースにガイドラインを策定するとしているが、働く者を保護する視点からは不十分なものと言わざるを得ない。労働者概念の拡充を含む抜本的な見直しに向けた検討が必要である。

3.第2波、第3波に備えた医療等提供体制の更なる強化を急ぐべき
 医療に関しては最終報告まで先送りとなった。今後は、これまで進められてきた保健所や病院などの効率化と、緊急時の医療・介護・福祉サービスをはじめとする提供体制の脆弱性という課題をあらためて検証し、予想される再流行に備えた体制づくりを急ぐべきである。

4.経済的不安の解消などによる「子育て支援」の環境整備を
 政府が優先して取り組むべきは、雇用の安定化や賃金の引上げによる経済的不安の解消、選択的夫婦別姓の導入など、希望する人が安心・納得して結婚や出産等を選択できる環境を整備することである。
連合は引き続き、社会全体における「子育て支援」の充実、格差是正を軸とした国民生活全体の底上げ・底支え、働く者の保護と安心できる社会保障制度の確立に向け取り組みを強化する。

以 上