事務局長談話

 
2020年06月05日
復興庁設置法等の一部を改正する法律案の可決・成立に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長   相原 康伸

1.とぎれのない震災復興に向けた改正法案の成立を評価する
 6月5日、「復興庁設置法等の一部を改正する法律案」(以下、「改正法案」)が、参議院本会議において与野党の賛成多数で可決・成立した。被災地においては、復興・再生に向けた取り組みが進んでいるものの、いまだに多くの被災者が避難生活を余儀なくされており、その道のりは依然道半ばである。とぎれのない震災復興をはかるためには、「復興・創生期間」終了後も引き続き政策面・財政面における国の強力なバックアップが不可欠であり、復興庁の設置期限の10年延長や専任閣僚の継続設置などが盛り込まれた改正法案の成立を評価する。

2.多岐にわたる課題に対し、復興の司令塔として復興庁の役割発揮を
 改正法案では、被災地における基幹インフラ復旧の進展などを踏まえ、復興交付金の廃止が盛り込まれるなど、「復興・創生期間」終了後の復興事業費は大幅な縮小が見込まれるが、引き続き被災地の実態を丁寧に把握した上で、被災自治体の財政状況にきめ細かく配慮した予算措置をはかるべきである。
 また、産業の復興・再生や、医療・介護・福祉サービスなどの充実・強化、被災者の心のケアへの対応など多岐にわたる課題に対し、被災地に寄り添った取り組みが不可欠であり、関係省庁の連携のもと復興の司令塔として復興庁の役割発揮が引き続き求められる。

3.山積する課題の解決に向け、政府の積極的な関与の継続を
 福島第一原子力発電所事故からの復興・再生については、帰還困難区域を除くほとんどの地域で避難指示が解除されたものの、住民の帰還が十分に進まないことなど、いまだに復興・再生への課題は山積しており、今後も政府が前面に立ち、積極的に関与することが求められる。
 また、福島に住む人々が将来にわたり安心して生活を営むことができるよう、帰還に向けた各種環境整備や生活再建・自立に向けた総合的な支援の拡充が必要である。

4.震災からの復興・再生に引き続き全力で取り組む
 連合は、2011年の発災以降、東日本大震災からの復興・再生をわが国の最重要課題と位置づけ、被災地ヒアリングなど様々な機会を通じて実態を把握するとともに、復興庁をはじめ政府・政党などへの要請を行ってきた。今後も震災からの復興・再生に向け引き続き全力で取り組むとともに、台風など多発する自然災害への防災・減災対策の強化や、新型コロナウイルス感染症への対策に関する要請行動など、働く者の安全・安心の確保に向けた取り組みを、構成組織・地方連合会と一体となり強化していく。

以 上