事務局長談話

 
2019年07月22日
第25回参議院選挙結果についての談話
日本労働組合総連合会
事務局長  相原 康伸

  1. 一強政治に歯止めをかけることができなかった結果は極めて残念
     2019年7月21日、第25回参議院選挙の投開票が行われた。選挙区の投票率が48.8%と過去2番目の深刻な低水準となる中、強固な支持基盤を有する自民党と公明党が改選議席の過半数を上回る71議席を獲得した。一強政治に歯止めをかけることができなかった結果は極めて残念である。与党に対しては、有権者の半数も投票に行かない中で得られた結果に驕ることなく、数の力に任せた国会運営などを改め、多様な民意を尊重した健全な民主主義政治の体現を強く求める。

  2. 野党は強い危機感のもと大局的な見地から戦略の検討を
     今回の選挙では、立憲民主党と国民民主党が獲得した議席は、3年前に民進党が獲得した32議席を下回る23議席となった。また、5野党1会派は32あるすべての1人区で候補者調整を行い選挙戦に臨んだが、獲得議席は同様の試みを行った前回の参議院選挙の11議席を下回る10議席にとどまった。2012年の解散総選挙以降、自民党に国政選挙6連勝を許したことについて、野党は、今の政治を変えたいと強く願う有権者の期待に応えるだけの受け皿を示すことができたのかを真剣に問い直す必要がある。今後、野党は強い危機感のもと大局的な見地から戦略を検討しなければならない。

  3. 連合が掲げた勢力構築の足がかりとは言い難い結果
     連合は、今次選挙を「政権交代可能な二大政党的政治体制の一翼を担う勢力構築の足がかり」と位置づけ、働く者や生活者の立場に立った政治勢力の拡大に向けて取り組みを展開してきた。とりわけ、これまでになく難しい対応が迫られる中で、立憲民主党、国民民主党とは与党を利さないことを前提に政策協定を締結し、組織力を最大限に結集し得る環境整備に注力した。しかし、比例代表の組織内候補者は10名中8名の当選、選挙区の推薦候補者は44名中18名の当選にとどまり、連合が掲げた勢力構築の足がかりとは言い難い結果となった。

  4. 健全な議会制民主主義と働く者・生活者のための政策実現に向けて
     選挙は、有権者が自ら日本の将来を選択する重要な機会である。それにもかかわらず、今回の選挙でも投票率は低位を脱することはなかった。与野党は、国民の政治への関心や信頼をこれ以上損なわないためにも、人口減少・超少子高齢社会を迎える日本が直面する諸課題に真剣に向き合わなければならない。連合も厳しく政治をチェックするとともに、引き続き健全な議会制民主主義と働く者・生活者のための政策実現に向けて力強く政治活動を推進していく。
    以 上