事務局長談話

 
2019年06月27日
第198通常国会閉会にあたっての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 相原 康伸

  1. 選挙を意識し国民生活を置き去りにした空疎な国会は極めて遺憾
     1月28日召集の第198通常国会が6月26日に閉会した。政府・与党は、7月の参議院選挙を意識し対決型法案の提出を控えるなど安全運転に徹した国会運営を行った。景気後退への懸念が強まるなど多くの国民が将来への不安を感じる中、国民生活を置き去りにした空疎な国会となったことは極めて遺憾である。

  2. 国会の機能を軽視する政府・与党の対応は厳しく叱責されるべき
     国会冒頭では、毎月勤労統計調査の不正発覚を受けて開会直前に修正された2019年度予算案が審議されたが、関連する政策や予算へ及ぼす影響に対する議論が尽くされぬまま成立に至った。その後も数多くの統計不正の発覚、不適切発言を行った閣僚の辞任、年金財政検証の遅れ、麻生大臣の審議会報告書の受け取り拒否など問題が相次いだが、政府・与党は国民に対して納得のいく説明を行うことはなかった。一方、後半国会において、野党はこれらの問題を追及すべく再三にわたり予算委員会の開催を求めたが、政府・与党が応じることはなかった。国会の機能を軽視するのみならず、幅広い民意に向き合わない政府・与党の政治姿勢は厳しく叱責されて然るべきと考える。

  3. 政治への信頼を取り戻す党首討論が必要
     今国会では約1年ぶりに党首討論が開催された。本来、党首討論は国の基本政策や将来の国家像に関する党首間の建設的な議論が交わされる場であるが、国民生活の将来を左右する重要課題すら議論が深まることはなく、国民の期待を大きく裏切るものになったと言わざるを得ない。
     党首討論が、当初意図した機能を発揮するには、与野党が2014年に合意した毎月1回の開催遵守はもとより、国民生活が直面する諸課題を真正面から議論すべきである。その姿を通じて、政治への信頼を取り戻すことが求められる。

  4. 健全な議会制民主主義を実現すべく第25回参議院選挙に全力で取り組む
     一強政治の弊害により政治に緊張感が失われている。また、野党を通じて表出される多様な民意も蔑ろにされ、議会制民主主義が危機的状況に陥っている。
     健全な議会制民主主義を実現するためには、与野党が政策で切磋琢磨する二大政党的政治体制を確立させなければならない。目前に迫った第25回参議院選挙はその足がかりをつくる重要な闘いである。連合は、推薦候補者全員の必勝に向けて組織一丸となって取り組みを進めていく。
     以 上