事務局長談話

 
2019年03月27日
2019年度政府予算成立についての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 相原 康伸

  1. 十分に精査されないまま成立
     3月27日、2019年度政府予算が参議院本会議において与党などの賛成多数で可決・成立した。連合は、経済の自律的成長を実現させるためには、国民全体の「底上げ・底支え」「格差是正」に資する政策の実行が必要との観点から政府案の見直しを求めてきた。しかし、国会審議においてそれらの観点での十分な精査はなされず、また一連の統計不正が、関連する政策や予算へ及ぼす影響についても、具体的な検証と必要な見直しの議論は尽くされぬまま成立に至ったことは遺憾である。

  2. 全世代支援型社会保障、外国人労働者に対する環境整備の充実をはかるべき
     社会保障関係費については、介護等人材および保育士の処遇改善が行われることは評価できる。さらなるサービス需要の増大に対応する人材を確保するため、全産業平均賃金との格差の解消に向けより一層の処遇改善を継続的に進めるべきである。幼児教育・保育の無償化にあたっては、認可外保育施設の質を担保するため認可化移行を強力に進めるとともに、保育の質を落とすことなく待機児童問題を早期に解消すべきである。
     また、外国人労働者の労働環境の整備および共生施策への財政的支援については、一定の予算が確保された。しかし、今後より一層の外国人労働者の増加が見込まれることを踏まえれば、さらなる体制の充実と地方自治体に対する財政的支援が必要である。
     加えて、今年10月の消費税率引き上げに伴う需要変動対策については、政策効果、公平性、財政規律の観点から問題が多く、消費税率引き上げの本旨に鑑み、不断の検証が必要である。
     

  3. 引き続き「働くことを軸とする安心社会」の実現に向け全力で取り組む
     本予算の成立を受け、通常国会後半では、予算関連法案をはじめ、国民生活の安心・安全に関する重要法案の審議が行われる。
     連合は、今後、ハラスメント対策関連法案や子ども・子育て支援法改正案など、連合の最重点法案を中心に国会審議等に対応するとともに、財政制度等審議会での意見反映や政府・政党への要請行動等を通じ、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、全力で取り組んでいく。
    以 上