事務局長談話

 
2019年02月04日
中距離核戦力(INF)全廃条約破棄に強く抗議する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 相原 康伸
 

  1. INF全廃条約破棄に強く抗議する
     米国は2月1日、ロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄を発表した。一方、ロシアも2日、同条約の義務履行停止を表明し、今後、中距離ミサイル開発推進などの対抗措置を講ずることを明らかにした。同条約が破棄されることは、連合が求めてきた核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現から遠ざかるものであり強く抗議する。
     

  2. 同条約の歴史的意義および遵守の必要性を踏まえた協議を
     INF全廃条約は、特定兵器の全廃を盛り込んだ初の条約であり、米ロの二国間条約であるものの、冷戦終結に貢献し世界平和に寄与してきた条約である。同条約の失効および今回の両国の態度が、世界各国の軍備拡張につながることを強く懸念する。トランプ米大統領は同条約に代わる「新条約」締結に意欲を示しているものの、その内容は核軍縮につながる実効性あるものかは定かではない。米ロ両国は一刻も早く、これまでの同条約の歴史的意義および遵守の必要性を踏まえた、協議をすべきと考える。
     

  3. 日本政府は、唯一の戦争被爆国として外交努力を要請し、責任を果たすべき
     核兵器は壊滅的な被害をもたらし、非人道的で「絶対悪」の兵器である。日本政府は、唯一の核兵器被爆国として米ロ両国に対し、条約が果たしてきた役割の大きさを伝えるとともに、対話を促すことで、核軍縮と核不拡散を推進し、「核兵器の廃絶」という人類共通の目標達成に向けて役割を果たすべきである。
     

  4. 連合は、核兵器廃絶に向け、未来世代に対する役割を果たしていく
     連合はこれまで核兵器廃絶に向けた国内外の世論を高める取り組みを行ってきている。2012年から原水禁・KAKKINとともに、毎年核兵器保有国の在日本大使館に対して核兵器の削減・廃棄に向けた要請行動を実施している。また、2020年に開催される核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議に向けて、「核兵器廃絶1000万署名」を展開していく。連合は、世界の恒久平和の実現に向けて、今後も広島・長崎での平和行動をはじめ、NGOやNPOと連携し、社会的な責任を果たし、いっそう取り組みを強化していく。 
    以 上