事務局長談話

 
2018年12月11日
第197臨時国会閉会にあたっての談話
日本労働組合総連合会
事務局長 相原 康伸

  1. 国民の政治不信をより一層深めた国会運営に猛省を求める
     10月24日に召集された第197臨時国会は、48日間の会期を終え、12月10日に閉会した。第4次安倍改造内閣発足後初めての国会となったが、杜撰な法案の提出や日程ありきで十分な審議が行われないなど、過去の不誠実な国会運営が省みられることはなかった。立法府としての国会を軽視し、国民の政治不信を助長する国会運営を行った政府・与党には猛省を求める。

  2. 国民生活に大きな影響を与える重要法案の審議は極めて不十分
     今国会の冒頭では、相次ぐ自然災害への対応を中心とした2018年度補正予算が衆参の全会一致で成立した。災害からの迅速な復旧・復興に向けて必要な予算であるにもかかわらず、早期に補正予算案を編成し臨時国会を召集すべきとの野党の求めに応じなかった政府の対応は極めて遺憾である。また、今国会では国民生活に大きな影響を与える複数の重要法案が、熟議を尽くされないまま成立に至った。とりわけ、入管難民法改正法案については、制度設計の詳細を省令などに白紙委任したともとれる極めて欠陥の多い内容であったが、数の力で強行的に採決がなされた。国会で法案の精査も行わず、成立させることだけが目的化した現状は、国会の立法機能を無下にするものであり到底容認できるものではない。

  3. 党派をこえて国会の役割を正常化させることが急務
     今後、社会の不確実性が増すなかで、数々の課題に対処していくためには、多様な国民の声を代表する国会が熟議を尽くし、社会的合意形成をはかる必要がある。そのためにも、国会が立法府としての機能を果たすことが強く要請されているが、第2次安倍内閣発足以降、政府・与党には弛みや驕りが蔓延し、独善的な国会運営が続いている。そもそも国会は、権力の濫用を防ぎ、国民の権利や自由を守る三権分立の一角を担うものであり、憲法で定められた国権の最高機関である。行政監視機能も含め国会の役割を正常化させることは急務であり、与野党が党派を超え積極的に対応されることを期待する。

  4. 健全な議会制民主主義を取り戻すべく来る選挙に組織の総力を挙げて取り組む
     連合は、健全な議会制民主主義を取り戻し、政策で切磋琢磨する緊張感ある二大政党的体制をめざすために、立憲民主党および国民民主党と政策協定を締結した。2019年は、第19回統一地方選挙と第25回参議院選挙が重なる12年に一度の重要な年である。働く者・生活者の立場に立つ政治勢力の拡大に向け、連合は組織の総力を挙げた闘いを展開する。
     
    以 上