事務局長談話

 
2018年12月08日
日EU経済連携協定の国会承認に関する談話
日本労働組合総連合会

事務局長 相原 康伸

  1. 自由貿易の推進にとって大きな意義
     12月8日未明、参議院本会議において、日EU経済連携協定(EPA)承認案が、与党などの賛成多数で可決・承認され、協定の発効に向けた国内手続きが完了した。わが国の経済を持続的な成長軌道に乗せ、雇用の創出をはかるうえで、主要な貿易相手国であるEUとの経済連携体制の構築は重要であり、また、国際社会において保護主義が台頭する中、世界のGDPの約3割を占める日本とEU間の経済連携協定締結は自由貿易の推進にとって大きな意義を持つと考える。

  2. わが国産業や国民生活への影響の丁寧な把握・検証を
     本協定の発効により、自由で公正なルールのもと、わが国産品の輸出拡大や海外展開の促進などが期待できる。一方、農林水産品を含むほぼ全ての品目で関税が撤廃されることによるわが国産業や国民生活への影響に関しては、発効後も引き続き丁寧に把握・検証のうえ、必要に応じて対策を講じることが求められる。
     

  3. ILO中核的労働基準の尊重・履行について大きな課題が残る
     本協定の第16章「貿易及び持続可能な開発」には、国際労働機関(ILO)中核的労働基準の尊重・履行が盛り込まれているものの、わが国はそのうち2条約(第105号、第111号)が未批准であり、また、批准済であるものの公務員制度において履行がされていない条約(第87号、第98号)も存在する。連合はこの間、政府・政党への要請行動を通じ、これらの問題に対し具体的な対応を求めてきたが、それが示されないまま、可決・承認に至ったことは極めて残念である。未批准条約の早期批准および批准済条約の確実な履行を引き続き政府に強く求めていく。

  4. 引き続き生活の質の向上とディーセント・ワークの実現に取り組む
     連合は、本協定がわが国の持続的成長な成長と雇用の創出はもとより、日本・EU双方における生活の質の向上とディーセント・ワークの実現に寄与するものとなるよう、関係する構成組織・地方連合会と連携し、発効後の影響を把握していくとともに、必要に応じて政府に対応を求めていく。また、欧州労働組合連合(ETUC)と連携をはかりながら、本協定にもとづき設置される国内諮問機関などへの参画を通じ、労働監督機能の実効性確保に向け、取り組みを進めていく。
    以 上