事務局長談話

 
2018年10月11日
米国トランプ政権初の臨界前核実験に抗議する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 相原 康伸

  1. 米国の臨界前核実験に対して強く抗議する
     米国が2017年12月、ネバダ州で臨界前核実験を実施していたことが明らかになった。米国が臨界前核実験を行うのは、トランプ政権下では初めてであり2012年9月以来5年ぶり28回目となる。原爆が投下された唯一の被爆国である日本において、これまで、核兵器廃絶と恒久平和の実現に向けて取り組んできた立場から、連合はこの実験に強く抗議する。
     

  2. 国際世論に逆行する行動に深く憂慮する
     米国は2018年2月に、新たな核戦略指針「核態勢の見直し(NPR)」を公表し、核兵器以外の通常兵器やサイバー攻撃を受けた場合の報復にも核兵器を使用することを盛り込み、核兵器の先制不使用政策も否定し、小型核兵器の開発も明記した。
     また、トランプ政権が北朝鮮に非核化を迫る一方、自らは臨界前核実験などを通じて核兵器の増強を進めていることは、「核兵器なき世界」を切望する国際世論の動きに逆行する。核兵器の脅威を増大させかねない米国の姿勢に対して、連合は深く憂慮する。
     

  3. 日本政府には、核兵器廃絶の合意形成に向けた外交努力を要請する
     核兵器をめぐっては、2017年に国連で「核兵器禁止条約」が採択されて以降、法的に核兵器を廃止する条約の誕生、さらに2018年6月12日に、米国のトランプ大統領と北朝鮮の金労働党委員長による史上初の米朝首脳会談が行われ、非核化に向けての共同声明が出されるなど、国際的にも大きく変化を迎えている。日本政府には、唯一の被爆国としての責務として、今こそ米国に対して、核兵器廃絶の合意形成に向けた外交努力と情報発信を要請する。

  4. 連合は核兵器廃絶と恒久平和に向けてのキャンペーンを行っていく
     連合は2012年から毎年、原水禁、KAKKINとともに、核兵器保有国に対する要請行動を毎年行っており、米国大使館に対しても2018年7月9日に、核兵器の削減・廃棄および核兵器の実験中止にむけた要請行動を行った。日本国内のみならず世界の労働組合と連携し、ITUC世界大会宣言文に核兵器廃絶に関する取り組みを盛り込むよう働きかけを行ってきた。連合は引き続き、ITUCオンライン・サインアップ(署名)キャンペーンへの参加を社会へ広く働きかけていくなど、2020年国連核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議に向けて、志を同じくする団体とともにいっそう取り組みを強化していく。
    以 上