第164通常国会において、医療改革関連法が成立しました。
今回成立した医療改革関連法は、「健康保険法等の一部を改正する法律」が5本、「医療法等の一部を改正する法律」が7本、計12本の改正法から成っており、改正の内容は広範・多岐にわたっています。
医療制度の抜本改革論議は、1997年から行われてきました。医療制度における改革すべき課題とは、[1]診療報酬体系、[2]薬価基準制度、[3]高齢者医療制度、[4]医療提供体制の4本に保険者機能の強化、医療情報の公開を加えたものとされてきました。[1]と[2]は中医協で具体的な検討が行われてきました。残りの4課題についての改革は先送り、負担増のみが先行してきました。窓口での自己負担3割を導入した2002年の健保法等の一部改正後に政府の基本方針が閣議決定され、その内容を具体化するために、2003年5月から社会保障審議会の医療保険部会、医療部会で検討されてきました。
今回の制度改革は、1997年からの改革論議の集大成とも言えるものです。
医療保険制度については、老人保健制度を抜本的に見直し新たな高齢者医療制度を創設する、政府管掌健康保険の保険者を政府から公法人である「全国健康保険協会」に変える、40歳以上の被保険者・被扶養者の特定健診を保険者に義務づけるなど、従来の制度や運営が大きく見直されます。
また、医療提供体制については、患者等への医療に関する情報提供、医療計画の見直し等を通じた医療機関の機能分化と連携、医師不足対策などの推進が図られることになります。
医療提供体制は改革が進みつつありますが、医療保険制度については、「負担増・給付削減」であることには変わりがなく、とりわけ高齢者については大幅な負担増となっています。また、後期高齢者医療の制度や財政運営のあり方、後期・前期高齢者医療制度、退職者医療制度などへの支援金等、若年者の財政負担の増加など、今後に大きな懸念と問題を残しています。
12本の改正法は、2006年10月の現役並み所得のある高齢者患者負担の引き上げから、2012年の介護療養型病床の廃止まで、順次実施されています。
医療提供体制では都道府県が中心的な役割を担い、医療保険制度では医療費適正化や保険者機能の発揮に向けて、保険者の規模や運営を都道府県単位に集約していく方向性が示されています。地方連合会の役割が重要になっています。被保険者・患者・働く者の立場から、安心・信頼の医療制度を構築するため、連合、構成組織、地方連合会が一体となって取り組むことが必要です。
国会審議レポート
- 改正法案の国会審議レポート(第164国会)[2006年6月20日更新]
これでいいのか!医療制度改革関連法案
政策ニュースレター
- 社会保障審議会(医療保険部会・医療部会)開催報告[2005年12月20日更新]
- 中央社会保険医療協議会(中医協)開催報告[2006年8月10日更新]