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要介護者を介護する人の意識と実態に関する調査(2014年2〜4月)


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調査結果のポイント

要介護者について

  1. 要介護者は80歳代が半数近くを占め、90歳以上も約14%と多い。平均年齢は81.5歳である。一方、介護者は約4分の3が「子またはその配偶者」で占められており、平均年齢は53.1歳に達している。
  2. 要介護者の6割弱は医師から認知症との診断を受けているが、認知症と診断されなかった人でもそのうちの約3分の2に何らかの症状が現れており、これらを合わせると、程度の違いはあれ要介護者の約8割に認知症の症状が出ている。認知症と診断された人のうち、症状の重い「日常生活に支障をきたす」が14.4%を占め、最も重度の「専門治療が必要」が約3%である。

介護保険サービスについて

  1. 介護保険サービス全体への<満足>は60.8%と多いが、在宅介護が困難な要介護者や認知症の症状が進んだ人を抱える介護者では<満足>は22.6%、<不満>は51.9%となっている。
  2. 個々の介護保険サービスへの利用者の評価は高い。利用したサービスのトップは[通所介護・リハビリ]で、以下、[福祉用具貸与]、[住宅改修]、[福祉用具購入]、[訪問介護]、[短期入所]が続く。
  3. ケアプランに対する評価は高く、<満足>(75.4%)が<不満>(13.8%)を大きく上回っている。同様の傾向はケアマネジャーでも共通している。しかし認知症の症状の進行とともに「認知症の知識が乏しく有効な対応策を提案できない」というケアマネジャーが増加しており、認知症の急増にケアマネジャーが対応できない現状への不満が大きい。

認知症と在宅介護の可能性

  1. 現在の介護保険サービスでも在宅介護を「続けていくことができる」人が約半数みられるものの、「続けていけない」と困難を訴える人が約3割を占めている。特に、こうした人は要介護者の認知症の症状が進むにつれ急増し、最も症状の重い<専門医療が必要>では6割強に達している。
  2. 認知症の進んだ要介護者を抱える人ほど<在宅介護を続けられない>と困難を訴えている。特に、在宅介護が困難のため施設入所を<申請中・申請予定>の人では、要介護者の認知症診断状況別で<日常生活に支障がある>で43.3%、<専門医療が必要>で60.0%に達している。
  3. 認知症の各種症状は認知症の進行とともに急増している。特に、症状の最も重い<専門医療が必要>では、「家族や知人がわからない」、「道に迷って家に帰られなくなる」、「暴言を吐く」、「夜眠らずに騒いだりする」、「徘徊する」といった重度の症状を示す人が増えている。
  4. そのため、「体調悪化時」や「長期的」に預かる施設の新設・充実、「早期発見・早期治療」、「専門の医療・介護施設」といった認知症対策に要望が集まっている。

介護者の負担、必要な支援について

  1. 現在の介護保険サービスは介護者の生活に大きな負担と影響を与えている。<ストレスを感じている>人は約8割に達し、また、<憎しみを感じている>人も約3分の1を占めている。虐待の経験が<ある>人は少数だが、それでも1割強が経験者である。
  2. 介護保険ではサービスを提供していない、または、提供が困難な「利用回数・日数が少ない」「夜間・緊急時に利用できない」「待機者が多く施設に入れない」への強い不満がある。現在の介護保険サービスの範囲では、サービスの適切な提供は困難であり、「家族の負担が軽減されない」といった負担軽減に対する強い不満を持っている。
  3. このため介護者の期待は、「緊急時の相談・支援体制の充実」「夜間などヘルパーの利用」といった緊急時支援や、「生活援助の保険適用拡大」「低所得世帯向けの助成」という介護者の家計支援、さらに、「介護者が休養できる支援策の拡充」「介護者の健康管理施策」といった介護者の健康を支える施策、そして、介護保険サービス利用のための丁寧な情報提供や制度の活用方法に要望が集まっている。

調査結果から見えること

  1. 介護保険制度創設の評価や介護保険サービス全体への満足度は高いと言えるが、急速な高齢化や認知症の増加に対するサービスとマッチしていない現状が読み取れる。
  2. そのためにも現行の制度に加えて認知症を対象とする介護サービスとともに、在宅介護を支える短期入所や定期巡回・随時対応サービス、小規模多機能型居宅介護など新たな介護保険サービスの見直しや市町村事業など の充実が求められている。また、家族など介護者の負担軽減につながるレスパイトや専門的ケアなどの充実についても、自治体など地域全体による支援が必要である。

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