労働組合や地域のNGO・NPOなどによる「支え合い・助け合い」活動の中から、ユニオニオンが特に気になった活動を紹介するよ!
今回は子どもや若者の支援について、首都圏若者サポートネットワークの村木厚子さんからメッセージをもらったよ

ユニオニオン

ゆにふぁんへのメッセージ

首都圏若者サポートネットワーク
顧問

村木厚子

ラベル#子ども・若者応援

2023.4.25

コロナ禍、物価高、エネルギー費高騰などの中の子ども・若者の現状について

 私は長い間厚生労働省で勤務をしましたが、退職後、子ども・若者の問題にかかわることが多くなりました。それは、「大人の責任」を感じたからだろうと思います。子ども・若者の問題については、連合・ゆにふぁんにも大変お世話になっています。改めて御礼を申し上げます。
 子どもの貧困や児童虐待の問題は注目され、施策も少しずつ前進をしています。一方で、コロナ禍は、私たちが見過ごしがちな大きな問題を目に見える形で示してくれたように思います。
 生きづらさを抱えた少女や若年女性を支援する「若草プロジェクト」ではLINEによる相談を受け付けていますが、緊急事態宣言が発せられた2020年4月の終わりぐらいから相談件数が急増しました。「コロナの影響で1か月ぐらい仕事が休みで…」と経済面の苦しさを訴える声や「コロナで家にいなければならず居場所がないです」「逃げ場がないです」と家庭内の悩みを打ち明ける声などが寄せられました。支援を担当する若手弁護士が、「もともと崖のそばに立っていた子たちが、さらに崖っぷちに追いやられている。さすがにこのままでは崖から落ちると思ってやっと相談してくれた」と語ってくれたのは印象的でした。
 また、児童養護施設などの社会的養護から離れた後のアフターケアの支援を行っている「首都圏若者ネットワーク」には、この分野の支援者から「食べ物を送ると、ものすごく感謝された。お礼の電話がかかって来て、しばらく話しているうちに、『実は‥』と相談をしてくれた。」という声も寄せられました。
 コロナ禍の下、非正規労働者の失業や若者や女性の自殺が急増しました。経済情勢の変化や家庭内の環境悪化が彼らを追い詰めたことが容易に想像できます。
 私たちは、実は社会の中にずっと構造的にあって、そして、コロナによって露になったこうした問題をしっかりと捕まえ対応していくことが大切だと思っています。長い間公務員として勤務していた私としては忸怩たる思いがありますが、厳しい状況にある子ども・若者の支援にはまだまだ多くの課題があります。発見されていない虐待、虐待を受けながら児童福祉につながっていない子どもはたくさんいると思われます。虐待が疑われ、児童相談所がかかわった後、施設や里親の下ではなく、自宅に戻る子どもは大勢いますが、その後のケアを十分に行うためのマンパワーは不足しています。また、児童を守るための児童福祉法に基づく支援は、その性質上成人した彼らへのアフターケアには弱く、さらに、成人になってから子どものころの被害が明らかになった若者への支援は無いに等しい状況です。制度も世間も「もう大人だから自分で頑張ろうね」という意識が強く、自立のプロセス、過渡期を支援するという施策は弱く、意識も薄いのです。
 こうした支援の弱い部分を、気づいた人が補い、また、制度化に向けて強化していく必要があります。これは大人の責任です。どうか、そのために皆様からの応援をよろしくお願いいたします。

ユニオニオン

厳しい状況に置かれている子どもや若者のために、一刻も早い制度づくりや支援の拡充が求められているんだね。
ゆにふぁんへのメッセージ、ありがとうございました!

団体情報

首都圏若者サポートネットワーク

東京都港区新橋4丁目24−10 アソルティ新橋 5階 
ユニバーサル志縁センター内

  • 推薦組織: 連合東京
分野
貧困から守る

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