- (1)司法制度改革審議会意見書の理念を実現する司法制度改革が今後も推進されるよう、労働組合代表を含む民間有識者による会議を実施する。
- (2)裁判員制度の国民への定着を促進する
①裁判員制度への国民の理解を促進するための取り組みを推進する。
②裁判員に選ばれた国民が裁判に参加しやすい環境を整備する。特に、各企業が「裁判員休暇」を有給で創設するよう啓発活動を推進する。
③裁判員とその家族などに対するインターネット上の誹謗中傷も含めた安全が担保できるよう必要な制度の見直しを行うとともに、裁判員の精神的負担に対するフォローが出来る体制を整える。
④裁判員候補者の辞退率の上昇に拍車がかかることがないよう、辞退事由についてのチェック機能を強化する。また、裁判員経験を社会で適切に共有できるよう、守秘義務の明確な運用に向けたガイドラインを策定する。
- (3)手続きの透明性や国民への説明責任が担保された、国民にもわかりやすい刑事司法制度の実現に向けて更なる改革を推し進めるとともに、現行制度の運用の適正化をはかる。
①裁判員裁判対象事件・検察独自捜査事件に限らず、全事件の取調べの全過程を録音・録画することを制度化する。
②通信傍受の対象拡大に際しては、通信事業者の負担や対応者の安全確保に配慮した制度設計を行うとともに、通信の秘密が守られるよう適正な運用を行う。
③被疑者・被告人の身柄拘束の判断が適正に行われるよう、防御権とともに刑事訴訟法に考慮事情を明記する。
④被疑者取調べへの弁護人の立会いを制度化する。
⑤証拠の全面的な開示を進めるとともに、再審請求事件においても証拠開示を制度化する。
- (4)「法テラス」(注5)が利用者本位の運営となるよう、業務状況のフォローアップと適宜見直しを行う。
- (5)裁判官、検察官、弁護士の法曹人材の質・量(数)を十分に確保する。多様な法曹人材を養成するため、法科大学院における教育や司法試験の在り方、司法修習の在り方、就職支援のための制度整備などが一体的な制度となるよう必要な見直しを行う。
- (6)法律文言の見直しや訴訟手続きを簡易なものに改善する。また、司法のしくみや働き全般に関する司法教育を学校教育や社会人教育においても充実させる。
- (7)労働事件を扱う司法制度を充実させる。(「雇用・労働政策」参照)
①労働事件に、労使の専門家が参加する「労働参審制」を全地方裁判所に導入する。なお、参審員は労使団体から選出された者を裁判所が任命し、裁判官と同じ評決権を持たせる。
②労働関係訴訟の専門性確保の観点から、主要な高等裁判所に、職業裁判官1名と労使団体の推薦による「労働裁判官」(仮称)2名の計3名により事件処理にあたる「労働高裁」(仮称)を創設する。
- (8)改正民法(債権法)の施行にあたっては、労使双方に広く周知するとともに、当事者の予見可能性を害することのないよう、十分な経過措置を講じる。
- (9)商法(運送・海商関係)改正にあたっては、船員の労働債権の範囲を狭めることがないよう、現行法を尊重したうえで、より労働者の保護に資する改正を行う。
- (注5)法テラス ~独立行政法人。地方裁判所本庁所在地(全国50カ所)に地方事務所を持ち、紛争解決に役立つ法律情報や紛争解決機関の情報の無料紹介、民事法律扶助、犯罪被害者支援など、国民に対して法律に関連するサービスの提供を行う。